出会い口説きALLOK

デキル男のためのライフスタイルマガジンです。裏モノJAPAN監修の出会いや口説きに体当たりで挑戦したブログです。

少女が援助交際を始めた理由と止めた理由・経験者の後悔と苦悩

平成を振り返るルポです。※2005年の当時のものとしてお読みください。

援助交際で少女たちが得たモノと失ったモノはなんなのだろうか。そもそも少女たちが援助交際を始めた理由と止めた理由は何だったのか。経験者の後悔と苦悩を聞いてきました。

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去年の2月から4月が1日1人×5万円で、4月から9月が1日2〜5人×3万円だから、ええと、うち、全部でいくら稼いだ?名古屋市内の喫茶店で、1人の少女が丸っこい字でノートに数字を書きつらねている。日向ユウ(仮名)。今年の夏で16才になる。目の回りを真っ黒に隈取るメイク、肩まで伸びたブロンドに近い髪。

いまどきのティーンズ雑誌を開けば、似たような子がごまんといるに違いない。生まれ月からすれば、ユウは現在高校1年のはずだ。がせっかく入った高校は1カ月足らずで退学した。名古屋の繁華街・栄で遊ぶうち、出会い系サイトで《エンコー》を覚え、それが日課となった。1日に最低2人と会うことをノルマとし、わずか8カ月間で2千万以上を稼ぎ出したという。だが、彼女は昨年9月にそんな生活から足を洗い、現在は通信教育で美容師になる準備をしている。「毎日どんどんお金が入って、好きな服も自由に買えるし、楽しくて仕方なかったんだけど…」
彼女はなぜエンコー生活から抜け出せたのか。そこには、震憾すべき恐怖の体験があった。

中2までは普通に学校通ってたけど、中3の夏休みに27才の元ホストと同棲し始めて。その人は友だちの紹介で、花火大会に一緒に行ったのが初対面。背が高くて、いかにもホストって服で、顔見たときは「ふん」って感じだったかな。でも、いきなり手つながれてイヤじゃなくて、そのまま彼んち行って、家に帰らなくなった。

うち処女だったし、その日はエッチなしで、「好きだ」って言われて、うちもだんだん好きになったみたいな。それまでも友だちのとこに泊まることはあっても、なかなか帰って来ないんでオカンが心配して、部屋にあったメモ見て直接、彼氏に電話かけてきて。そしたら彼氏が正直に話したもんだから、淫行で訴えるとか大騒ぎだよ。

一応、それはなんとか収まったし、1カ月半ぐらいで家にも帰って学校にも通いだして元に戻ったのに、暮れに彼氏とこ行こうと栄を歩いてたら50ぐらいのオジサンが「お茶のまへん」って声かけてきたわけ。ゲッ何この人、とか思ったけど、なんとなく一緒に喫茶店に行って、気がついたらその人の家で暮らすようになってて。オジサンはお金もないし、洗濯物を干せとかフロを使ったら洗えとか厳しいけど、お父さんみたいだったんだよね。

それに自分はこうやって厳しくされないと直らないと思ったし。元ホストの彼のことも、そんなチンカス野郎は切れ、って言われて。考えてみればその人は無職だし、27にもなって実家の仕送りで暮らしてたし、オジサンの言うとおりだと思って別れた。初めて会った一回りも年上の男性といきなり同棲し、さらには父親より年配のオジサンに付いていってしまう。小5で両親が離婚し、父親と別れたユウにファザーコンプレックスの気があるのは理解できる。が、それにしてもあまりにも大胆過ぎはしないか。

「普通じゃ考えられないのにこうなったのは、出会わなきゃいかんかったり一緒にいなきゃいかんかったってことじゃないかな」
健気な言葉だが、すべてはこじつけ。証拠に、いくら彼女が「お父さんみたい」と思っても、見知らぬ中学生と暮らす50才のオジサンが普通であるはずはない。その男、実はスポーツ新間などで男性客を募っては、際どいコスチュームを着せた女子中・高生の写真を撮らせる風俗業者だった。店兼用のマンションの一室でオジサンとひとつ布団で寝ながら、客寄せのため伝言ダイヤルにメッセージを吹き込み、セーラー服姿で客の相手をさせられた。
「触るのもなしだし裸になるわけでもないしラクだったよ。ただ、毎日、何回もメッセージを入れ直さなくちゃならないのが面倒なのと、予約が入ると外に出られなくなるのがイヤだったかな」
この手の非合法ビジネスは寿命が短い。昨年2月、店で働いていた他の女子高生が補導されたのを端緒に摘発をくらった。不幸中の幸いは、警察がガサ入れしたとき、ユウが外出していたことだ。
おじさんはキモイけどエッチは気持ちいい
その後、いったん家に帰ったもののフツーの中学生には戻れない。夜遊びを覚え、街で知り合った仲間の家を泊まり歩き、ときどき着替えを取りに帰る《プチ家出》が常態になった。「別に家や親嫌いとか学校がつまんないわけじゃなくて、遊んでる方がラクだし楽しいから」

ユウはあっけからんと言う。その辺歩いて、カラオケや買い物したりプリクラ撮ったり漫喫行ったり客引きのホストと友達になったり。だけど何をするにもお金がかかるでしよ。で、エンコーしようかなって思って。いつも友だちのエミとツルんでたんだけど、そのコは前からやってて、自分もやってみようかなと。いちばん最初はテレクラで5万で客を見つけたんだと患う。名古屋駅で待ち合わせて、で、来たのはフツーのサラリーマンだった。

別に嫌じゃなかったっていうか、5万円ももらうんだし、それくらいはしなくちゃって感じ。おじさんはキモイけど、エッチは気持ちいいし。セシル・マクビーが好きだから、服もバッグもサングラスもみんな欲しかったし。テレクラは1回きりで、その後は『egg』とか『RanZuki』に載ってた出会い系サイトの広告を見て、そっちを使うようになった。最初に名前と身長、体重、年齢、場所と5万っていうのを登録しちゃうの。

お金ほしいっていうと絶対みんなプロフィールは聞いてくるから、いちいち返すの面倒でしよ。家にもたまに帰ってたけど、そのころはタクシー運転手のおじさんちに泊まってたんだよね。たまたまエミと2人でタクシー乗ったら「キャバ嬢がおったけど出てって、1人じゃつまらんで遊びに来やあ」って言われて。おじさんはもう60を超えてて、エッチどうこうじゃなくて同居人がほしいらしくて、だからお互い干渉しないルールで、一緒に住むようになったんだ。

中学の卒業式は欠席したものの、2004年4月、なんとか地元の高校に滑り込む。家にはあまり帰らず援助交際もしていたが、それでもまだ遊びの範囲内だった。それがある出来事を境に一変した。なんかその日、用があってエミと朝から岐阜に出かけて。

そろそろお金も尽きたしここでエンコーやろうって話になったんだ。で、《岐阜で会える人募集》って登録したら、じゃんじゃんメール来て。返事害いてる間に次のが着信するから、誰とやりとりしてるかわからないくらいだった。そん中に、2人に5万ずつ出すって人がおったから、岐阜駅近くで夕方4時だったか5時だったかに待ち合わせたわけ。やっぱり2人一緒のほうが心強いし。こっちじゃ車が普通で、その人は黒いワゴン車だった。

約束の時間にスーっと来て「乗りや」って。2人で後部座席に座ったんだ。暗くて顔はよくわからなかったけど、スーツとかじやなくごく普通の格好してて、35才ぐらいだったかなぁ。普通、エンコーだとホテルに直行ってのがパターンなのに、その人は「花見しよう」とか言って、山の方に向かって走り出した。

私は、えっとか思ったけど、エミは、その人とモー娘。の誰が好きとか言い合ってて、なんか安心してるみたいで。でも、うちはちょっとおかしいと思った。だって提灯が下がった広場には誰もいないし、だいいち桜も咲いてないし。その人はそこを通り過ぎてもっと狭くて真っ暗な道をどんどん進んで行くんだ。本当は「どこ行くの」って聞きたかったけど怖くて口にできないし、誰か呼ぼうと思っても携帯見たら圏外だし。完壁ヤバイでしよ。

やっと行き止まりで車が停まったらその人「出て」って冷たい声で命令するわけ。外は幽霊が出そうなほど真っ暗で、寒くて。「服脱げ」って言うから「イヤ」って答えたら殴られかけて、服が破けて。あ、うちら殺されるのかな、って。場所もわからないし、逃げるのは無理だなって仕方なく自分で脱いだらそこに転がされて、いきなり入れられて。で、写メ撮られて、車の中でもヤられて。どのくらいヤってたかわかんないけど、最後はエミが「自分でヤれ」とか言われて、それ見ながらアイツが自分でシゴイてやっと終わった。

あのときのことは思い出そうとしてもなんか夢の中のことっていうか、モヤがかかってるみたいで。そのまま山の中に捨てられるのかと思ったら、なんとか会とかいう暴力団みたいな名前を出して脅して「家を確認するから名前と住所言え」って。うち、とっさに知り合いの住所と偽名を言った。

その後、ソイツ、本当に名古屋まで来て、家はどこだ、って。なんで「ここがうちの家です」ってウソついた。そしたら、やっと車から降ろしてくれて帰れた。家に着いたのが夜中過ぎだったから、山の中に3時間はおったんかな。次の日になって、あ、お金もらってない、って思い出した。

詳しい日にちや時間、被害について尋ねても、ユウの答は「……覚えてない」の一言で終わる。忘れたいのか、適切な言葉がないだけなのか。
「……そういえばアイッ、(お笑い芸人の)よゐこの有野にちょっとだけ似てたかも」ため息と一緒に吐き出した。真っ暗な山の中でレイプされ、このまま殺されるかもなんて恐怖を味わえば、当然、エンコーはやめたはず。「それが、一度、死を覚悟したら何されても怖くなくなっちゃって、本格的にエンコーやり始めたのはその後なんだ」

いままでどおりじゃ、また同じ目に遭うと思って、警戒を厳しくして相手をちゃんと選ぶことにしたんだ。まず、援助額が5万だと金持ちもいるけど危ない人もいるから、3万円に下げた。相場よりまだちょっと高い分いいお客が来るでしよ。それに、お金をくれれば誰でもOKっていうんじゃなく、サラリーマンぽい人をターゲットにしようと。写メもらって、電話番号とか仕事とか車種を聞いて。若い人は信じれないから30才〜50才ぐらいの人。

とにかくいっぱいメール来るから、少しでも怪しいと思った人はパスしてどんどん次に行く。そうすると1週間ぐらい前からアポを入れなくちゃならないでしよ。なんで、1日の
ノルマを最低2人って決めて、どうせすることないし生理日以外はエンコーした。毎日昼ごろに起きて、そっから美容院に行って、栄に出向いてエンコ-するって感じかな。1日2人にして遊びに行くこともあれば、5人ぐらい頑張る日もあった。移動時間も含めて1人2時間ぐらいかかるから、さすがに5人のときは日にちが変わっとった。

援助交際で生活する覚悟を決めたユウは、真っ先に性病の洗礼を受ける。そっち方面の知識は皆無で、避妊さえ無頓着。相手が「ゴムしようか?」と尋ねても「外で出せばいい」と答えていた。ある日、舌先に違和感を感じ鏡で見ると、ホクロのような血豆状の発疹が。食べ物が当たると飛び上がるほど痛い。慌てて病院に駆け込むと、医者は所見でヘルペスだろうと見立てた。「でも、その後の検査でヘルベスだけじゃなくて、クラミジアと淋病と、コンジロームと。あとは何だつけ?

とりあえずエイズと梅毒以外はみんな感染してますって」2カ月間通院、患部にクスリを塗布してもらい、抗生物質を飲み、やっと症状は治まった。それでもユウは懲りない。保険証がないため高くついた治療費を払うため、せっせとエンコーに精を出す。客にヤリ逃げされ「全身刺青の人を捕まえてください」と自ら警察に電話をかけたのも、この頃だ。少年課の刑事たちは、淫行犯を探さない代わりに、彼女に説教をすることもなく母親を呼んだ。

「オカンはエンコーしてたこと知っとった。で、何も言わんかつた。たぶん自分が離婚したせいでうちがこうなったと思ってるからじゃないかな」セシル・マクビーとかディア・プリンセスとかの《ギャル服》でしよ、それにシャネルの化粧品や香水も必需品だし。

一応、値札は見るけど、気に入ったものはとりあえず全部ご購入ですよ。マルエーってデパートで何万か買って、ごっそり盗まれたりしたけど、まいつか’で終わり。移動は常にタクシーで、美容院は、セットで3千円。週に1度はカット&パーマにカラーリング、トリートメントにエクステンションで5万ぐらいかけて。

それでも、お金がどんどん入ってくるから財布にあればあるだけ使ってた。一時、貯めようとしたこともあったけど、10万以上には増えなかったな。岐阜での出来事はなかったことにして、エンコー生活をエンジョイしていたユウに、衝撃的なニュースが飛び込んできたのは、昨年7月のことだ。

朝、自宅で見ていたテレビのニュースに1人の男が映っていた。見覚えがあった。忘れようにも忘れられない、あのレイプ犯に似ていた。ニュースは事件は2004年2月、岐阜の山中で絞殺された女性の遺体が発見されたことを報じていた。

その女性とテレクラで知り合った男が、援助額でもめた挙句、絞め殺したのだという。つまり、この殺人犯が例のレイプ男なら、ユウたちを襲ったとき、すでに人を殺していたことになる。もしあのとき、どこへ行くつもりか間いていら・・・。

もしあのとき、抵抗していたら。。もしあのとき、お金のことを言ってたら…。考えると体の震えが止まらなくなった。エミもそのニュースを見たみたいで、すぐに携帯がかかってきた。「あの男だよね」って。

目撃されたワゴン車も黒だっていうし、遣体が見つかったのもあのときと同じ辺りだし。間違いないと思う。ニュースを見た後、エンコーみたいな危ない仕事は止めようって、とりあえずキャバクラやってみたわけ。

本当は働けないはずなのに、「18才です。今日は身分証を忘れちゃったんで今度持って来ます」って言えばOKな店があって。服も貸してもらえるし、安全でしよ。でもね、酔っ払ったおじさんの相手するのは面倒臭いし、時給がたったの1500円。3万稼ごうと思ったら20時間働かなくちゃいけない。

それ考えると、やっぱりエンコーの方がいいかって思ったんだけど、うちはまだ死にたくない。悩んで決心したんだ。もう二度とエンコーはしないって。だって、たまたまこの前は殺されなかっただけで、たぶんエンコー続けたら絶対にまた殺人犯に出会う確率高いもん。エミはホストクラブに八マちやって、いまもエンコーしてる。だから「死ぬ覚悟でやりや」って言ってやったよ。

警視庁の調べによると、出会い系サイトに関連した事件の検挙数は、1500件を超えるそうだ。内訳は、児童買春・児童ポルノ法違反が766件、淫行などの青少年保護育成条例違反が377件、殺人や強姦などの重要犯罪も朋件を数えるという。犯人が捕まったのがこの数字なら、被害届さえ提出されない潜在的事件はどれほど起きているのだろうか。

昨年9月に家に戻ったユウは、小さいときに夢見ていた美容師を目指し、通信教育を始めたという。が、何度も途中で投げ出し、いまは4度目となる申し込みを申請中だ。エンコーを止めて10力月。好きな《ギャル服》を買うお金もないが、決心に揺るぎはない。多少時間がかかるかもしれないが、ユウは目標に向かって確実に歩いてる。