出会い口説きALLOK

デキル男のためのライフスタイルマガジンです。裏モノJAPAN監修の出会いや口説きに体当たりで挑戦したブログです。

日暮里のテレクラにいたのは妄想癖の強い逆切れ女だった

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今回の訪問地・日暮里は、東京の下町エリアだ。観光地として人気の高い谷中や根津からもほど近いため、日暮里駅前には外国人旅行者の姿があちこちで目につく。
「ファンタスティック!」
そばにいた白人観光客の集団から声が飛んできた。つたないヒアリング力をフル回転させてみるに、どうやら駅裏手の谷中霊園を散策したときの感想を仲間同士で語り合っているようだ。
でも彼らには想像もできないだろうな。そんなファンタスティックな場所のすぐ近くに、日本のダークサイドが存在していることを。そして、その場所へまさに向かおうとしている不幸な男が目の前にたたずんでいることを。
さて、愚痴はここまでにして、今日も張り切ってガンバルぞ(カラ元気)。
すでに地雷臭がプンプンするが… 入店して5分、早々にコールが鳴った。
「もしも〜し、こんにちは〜!どうも初めましてぇ〜」
どこかカンに触る、甲高い声だ。聞いた感じ、歳は40オーバーってところか。
「あ、こんにちは。今日はどういう人をお探しで?」
「会える人を探してるんだけどいいかなぁ?あ、一応ワリキリでよろしくね!」
「奇遇ですね。僕も同じです」
「やだぁ、奇遇だって!オニーサンおもしろーい。なんか会いたくなってきたなぁ?」
「オネーサンは今日お休みなんですか?」
「やだぁ、オネーサンとか。そっちは歳はいくつなの?」
「36ですけど」
「ほら、やっぱり私の方が年下じゃーん。だって34だしぃ。もうオネーサンとかマジやめてよぉ」
「すいません。ちなみに体形とかってどんな感じですか?」
「えーと、身長は163センチで、体重はヒミツゥ〜〜〜。でもたぶん、普通体形だよ」
たぶんってなんだよ。ちぇ、こりゃデブ確定だな。
「今日って仕事はお休み?」
「うん、そうなの」
彼女、普段はデパートで子供服の販売員をやってるそうで、この日は彼氏とデートをする予定だったという。
「でも、彼氏に急用が入っちゃってキャンセルになっちゃったのね。で、仕方ないからこっちに電話したのぉ〜」
デートがドタキャンになったからテレクラ。それって因果関係になってないと思うのだが。「彼氏さんって、忙しい人なの?」
「うん、そうなの!
だって○○○(某大手電機メーカー)の役員だからねぇ」
「…へえ」 
○○○は日本を代表する超一流企業だ。そんな地位も名誉もカネもある大会社のお偉いさんが、ワリキリ常習者と交際するメリットなどなにひとつ考えられない。テレクラでは虚言癖の女とよく遭遇するが、この女もその類か。
この時点ですでに地雷臭はプンプンだが、そこをあえて突き進むことこそ、テレクラ委員長の使命というものだ。
「ぜひ会いましょうよ。ちなみにワリキリはいくら希望?」
「えー、イチゴーから2くらいでお願い」
「じゃあ、イチゴーで」
「うん、いいよぉ〜〜!」
「俺、和田って言うんだけど、なんて呼べばいいですかね?」
「マイちゃんだよ〜〜」マイちゃんはすでに日暮里駅に隣接した消防署の前にいるとのことだ。
「ホリエモンのパーティで知り合ったの」 
消防署前には、ちょいポチャ女がぽつんとたたずんでいた。紺色のPコートに白のプリーツスカートという組み合わせは、事前に聞いた服装とぴったり一致する。
ただし、ファッションはマトモだが、肝心の中身は、腫れぼったい目をした40前半の厚化粧オバチャンだ。このチグハグっぷりがいかにもテレクラ女っぽい。
「あの、マイちゃんですか?」
「あ、はーい。どうもで〜す!」 
彼女が顔を向けた途端、吐き気を催す悪臭が鼻を突いた。歯槽膿漏のニオイだ。オエッ、くっせ!
「やーん、良かったぁ、イイ人そうで〜」
うう…やべえ。彼女が話すたび、この悪臭を嗅がされなきゃならんのか?
早くも心が折れそうだ。
「じゃあ立ち話もなんだし、いこっか!」
「あ、う、うん…」
並んで歩きだすと、彼女がこちらを見た。
「今日は会ってくれてありがとねぇ。デートすっぽかされたから助かっちゃった」
口臭を避けるため、前方を見つめながら真横の彼女に尋ねる。
「ああ、ドタキャンされたんですよね。彼氏さんとは長いの?」
「んーとね、知り合ってまだ1年くらいかなぁ」
「大企業の役員さんでしたよね?どうやって知り合ったの?」
「それがね、ホリエモンのパーティで知り合ったのぉ」
「は? ホリエモンってあのホリエモン?」
「そうそう。もともと私の友達が知り合いで、一度その人にホリエモンのパーティに連れてってもらったのね。それが縁で私も仲良くなったっていうか」
「はあ」
「この間も六本木ヒルズのホリエモンの自宅に彼氏と遊びに行ってきたんだよぉ。えへへ、すごいっしょ〜〜」
何だか話がどんどん大きくなっていくが、ウソの精度はいまいちのようだ。ホリエモンがとっくの昔にヒルズを引き払い、現在、ホテル住まいをしているのはわりと知れた話だ。
「ホリエモン、いま六本木ヒルズには住んでませんよ」
「え〜ウソでしょ?」
「昔、ホリエモンがテレビでそう言ってたんだけど」
「ん〜変だなぁ。…あ、ねえねえ、彼氏の写真見せてあげよっか?」
しれっと話題を変えてくるあたり、ハートの強さはなかなかだ。
「これ、彼氏」
差し出されたスマホ画面には、小汚い居酒屋のカウンターで、弱々しくピースサインする、60手前の薄毛オッサンが写っていた。この、よれよれのポロシャツを着たしみったれジーサンを、よくぞ世界的企業の役員と言い切ったものだ。ある意味、敬服する。
木嶋佳苗にそっくりじゃないか 
スマホをポンポンと叩きながら、彼女がさらに続ける。
「でも私、本当はいま彼氏が他にまだ3人いるんだよねえ〜。その写真も見たい?」
「ええ、まあ」 
見せられた3枚の写メにはそれぞれ、彼女といちゃついたり、キスしたりしている60前後のジーサンが。にしても、なんで、ジーサンとばかり付き合ってるんだ?
「彼氏さんって、みんな年配の人なんですね」
「うん、私、ファザコンだから」
「みんな既婚者なんですか?」
「やだぁ、みんな独身よ。不倫なんて面倒じゃ〜ん」
「なるほど」
「私さ、昔からなぜかビッグな人に好かれちゃうんだよね。その3人もさ、不動産屋の社長とレストランオーナー、あと元官僚なんだから。すごくない?」
また大ボラが始まったよ。大方、テレクラで出会ったひとり暮らしの寂しいジーサンたちをたらしこんで、定期的にワリキリしてるってのが真相なんじゃねえの?
そう考えた途端、彼女がひとりの人物と重なった。虚栄心の塊のようなブスキャラといい、老人たらしなところといい、保険金目当てで3人の高齢者を次次と自殺に見せかけて殺した毒婦・木嶋佳苗みたいじゃないか。よく見りゃ顔も結構似てるし。
もっとも、保険金殺人を犯すような悪人にはさすがに見えないし、それを計画するほどの知能もなさそうだが、殺人的な口臭を持つという意味では、やっぱり毒婦に違いない。 やがて、彼女が1軒のラブホ前で足を止めた。
「ね、ここにしようっか」
「俺はどこでもいいですよ」
ホテルへ入る寸前、前を歩いていた毒婦さんが急にクルッと振り返った。
「そうそう、ここさ、うまい棒とか、駄菓子が食べ放題なのよ。ね、いいとこ知ってるでしょ?」 
うぷっ…。濃厚な悪臭が顔面に直撃してしまった。ホント、少しも気が抜けんな。
「ヘリで宇都宮に行って、餃子を食べてきたのよ」
部屋に入ってすぐ、毒婦さん手を差し出してきた。
「先にお金お願いしてもいい?」
「うん、イチゴーだよね。はい、どうぞ」
手渡した札を2度、3度と念入りに数え終えると、彼女が満足そうに語りかけてきた。
「ねえ、ヘリコプタークルーズって知ってるぅ?」
「何ですか、それ」
「え〜知らないのぉ?」
見下したような笑いが浮かんだ。
「そっか知らないんだぁ。私、最近ハマってるんだよね〜。20万くらいでヘリコプターを貸し切ってさ、夜景を眺めながら好きなところに行ってもらうの。この前は宇都宮まで飛んで、餃子を食べてきたんだよ」
「へえ、すごいっすね」
相槌を打ちながら、スマホでヘリコプタークルーズを検索してみる。たしかにヘリで遊覧飛行を楽しむサービスらしいが、飛ぶルートはあらかじめ決められており、料金相場は1万円。よくぞ妄想だけで、そんな話をでっち上げられるものだ。
「ヘリコプタークルーズの何がそんなに好きなんです?」
「やっぱり景色ね。キラキラした夜景を大空から眺めるなんて最高でしょ?」
「そうですね」
「で、いまごろ地上ではみんなあくせく働いてるんだろうなぁって優越感を味わうの。私はきれいな夜空で美味しい餃子を楽しんでるのにって」
上空で食ってる設定かよ!もはやガチの異常者だ。彼女が立ち上がった。
「そろそろシャワーしよっか。あ、その前に歯磨きしようっかな」
お、それは助かる。あのニオイが少しでも軽減するなら願ってもないことだ。
歯磨きの間、毒婦さんはしきりと洗面所にツバを吐いていた。ゲンナリするのはそのツバが、ここからでもわかるくらい真っ赤なことだ。歯槽膿漏が進行し、歯茎から出血しまくっているのだろう。あんな状態じゃ、一時のニオイの軽減さえ期待できない。
近いうち不幸が起きるよ 
シャワーを浴びた後、ベッドへ。まずはフェラからプレイを始めたいところだが、その前にひとつ言っておかねば。
「ゴムフェラしてもらってもいいですか?」
あんな歯茎の出血を見た後で生フェラなど怖すぎる。毒婦さんは露骨に顔をしかめた。
「えー、そんなのムリ〜。私、ゴムの味、苦手だもん」
「そこを何とか」
「てか、なんでゴムフェラなの?私、病気とか持ってないよ」
虚言癖なだけに、そんなことを言われたら余計に疑いたくなるっつーの。
「いや、病気とかそういう意味じゃなくて、俺、普段からゴムフェラだから。習慣なんですよ」
「…なんか感じ悪くない? すっごく失礼なんですけどぉ〜〜。ちゃんと理由を言いなさいよ」
「ゴムフェラが嫌なら、手コキでもいいんだけど…」
「やだ、理由を言わなきゃ何もしない。ものすごく傷ついたんですけど、私」
本気で言ってるんだろうか?自分の口のなかがどんだけヤバいことになってるかわかってない? んなアホな。
いずれにせよ、こうなった以上は正直に言うしかない。
「…いや、実は、会ったときから口臭が気になってて。それに歯磨きしてる間も血混じりのツバが出てたし、あんなの見ると、ちょっと生フェラは怖いかなって…」
それまでうつむいていた毒婦さんがひょいと顔を上げた。腫れぼったい一重の目が怒りに満ちて、飛び出しそうになっている。うーむ、やっぱ火に油となったか…。
「帰る」 
ベッドから降りるや、すぐさま服を着始めた。
「ちょ、ちょっと待って。まだ何もしてないんだけど」
「……」
毒婦さんは答えない。ただ黙黙と洋服を着るのみだ。
「じゃ、わかったからお金は返して。だって本当にまだ手も触れてないよ?ね?」
「……ろうが」  ごにょごにょと何かしゃべったようだが、声が小さくて聞と
れない。なんて言ったんだ?「え、何て?」
「私の裸、見ただろうがぁ!」 
大絶叫と強烈な口臭が突風のように飛んできた。
「何がカネ返せだ!オメエみたいなカスが私の裸見れただけでもありがたいと思え、クソが!」 
ナニ言ってんだ、この人。怒りすぎて狂ったか?
「…あのう、ちょっと落ち着いてくださいよ」
「うるさい!てかオメエ、なんつった?誰の口が臭いって?女に向かってよくそんなヒドイこと言えるな! バカにすんじゃないよ!」
いつのまにか彼女の目にはうっすらと涙がにじんでいる。
「今日のこと彼氏に言うから。どうなっても知らないよ」 
また何だか物騒なことを言いだしたぞ。
「あの、それってどういう…?」
「世の中の金持ちにはね、表の顔と裏の顔があるってことよ。とにかく近いうち、アンタに不幸が起きるよ。これ以上はヤバいから言わないけどさ」
芝居じみたニラミをきかせ、毒婦さんは部屋を出ていった。もちろん、そんな脅しなどこれっぽっちも信じちゃいないが、これ以上、関わり合うにはあまりに面倒くさいキャラだ。カネはあきらめよう。