出会い口説きALLOK

デキル男のためのライフスタイルマガジンです。裏モノJAPAN監修の出会いや口説きに体当たりで挑戦したブログです。

アラサー女性記者口説かれるも友達ならアリでも恋人としては考えられない

【前回までのあらすじ】
ミクシィで知り合った自称プロスノー ボーダーとのデー卜が散々な結果に終わり、ネットの出会いがいかにロクでもないかを痛感する。

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前回の最終ペ— ジでもお伝えしたとおり、読者の方から私宛てにラブレターが届きました。内容を要約すると、
『連載スタート時から平井美加さんのことが気になっていて、いつも彼氏ができないことを望んでいました。今回は思い切って自分をアピールしようと思い、お手紙を出した次第です。応募はたくさんあると思いますが、よろしくお願いいたします』
うれしい限りです。『応募はたくさん』どころか初めてのことだし、何より私のような女にここまで思いを寄せてくれる男性がいたなんて。ニンマリ。
その読者、山下隆さん(仮名)は群馬県在住の3 4才で、仕事はリフォーム業の自営。送られてきた写真を見る限り、女性的でキレィな顔立ちです。世間一般の感覚ではイケメンの部類に入るんじやないでしよ一か。ただ、ヒゲ& 坊主頭好きの私には、あまりピンとこなかったけど。
担当編集さんから「一回デートしてみたら?」と言われて、正直、悩みました。この連載を欠かさず読んでるってことは、ナンパ男とキスしたこととか、お見合いパーティで屈辱の放置プレイを味わったこととか、私の恥部をすべて知ってるわけですから。
でも結局、山下さんと会ぅことにしました。私に好意を持ってくれた彼ってどんな人なのか。なんで私なのか。ききたいことはたくさんある。恋愛に発展する可能性も…2 割くらいはあるのでは?
それからデートまでの約1 力月、山下さんと何度もメールのやり取りをしました。
<はじめまして平幷です。お手紙ありがとうございました>
<こちらこそメール、ありがとうございます。また、お時間が空いたらメールいただけますか?>
最初はこんな感じでぎこちなかったけれど、日が経つうちに、
<居酒屋で夕食してます。ししやもを食べたよ。美加は何を食べるのかな?>
<ししやも、いいね〜!私はシメ鰭の予定>
すっかり打ち解けムードに。男の人に名前を呼び捨てにされるのなんて久しぶりのことで、照れくさい。あるときは、酔っ払った勢いなのか、こんなメールも届きました。
<今なら言える。美加、好きかも>
山下さん、なんだかすっごく気持ちが盛り上がってるようだけど、いざ実物の私に会って落胆しないかな。ツマんない女って思われないかな。デートの日まで、私はそんなことばかり考えていました。迎えた当日。待ち合わせ場所のお台場に向かうと、背の高い男性がひとり、背を向けて立っていました。山下さんかな?
「はじめまして。美加です」
「あ、どうも。山下です」
…写真のイメージとかなり違う。写真の中の山下さんは、とても3 4才には見えない細身のジャニーズ系だったのに、実際はごく普通の3 0代男性って感じです。ま、なよっとした人がダメな私には、むしろその方がいいんだけど。
私の視線に気がついたのか、彼が言います。

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「写真と感じ違う?今日のために軽くパーマかけたんだ」
「あ、そうなんだ」洋服も新調したんだって。デー卜前、オシャレに気を遣うのって
女子だけかと思ったけど、男性も同じなんだね。なんだか、かわいい。時刻はちょうどお昼時。近くのレストランへ移動です。
「事前にたくさんメールしてただけに、いざ会うと照れくさいね。美加は大丈夫?」
「私も恥ずかしい。てか、なんで私に手紙くれたの?」
会話が途切れてしまうことにビビって、いきなり本題に入る私。
ドキドキ。どんな答が返ってくるんだろう。
「美加のがんばり屋さんなところが好きだから」
「がんばり屋さん?」
「いつも残念な結果で終わるのに、くじけず一生懸命やってるでしよ。こいつ絶対いいヤツだよって勝手に思ってたら、いつのまにか意識するようになって」
なるほど確かに、毎回、男の人に振られたり、相手にされなかったりしてるもんな。恥ずかしい〜。
「でも、実際に会ってみてどうですか?文章と実物、違う?」
「実物の方がずっといいよ。ただ、思ったよりサバサバした性格なんだね」前半部分は素直にうれしい。だけど後半部分はどう理解すればいんだろぅ。私って、そんなに女らしくないのかしら。
一方、私の山下さんに対する印象もなかなかです。優しいし、気遣いも上手いし、それに顔は似てないけど、私の人生で唯一の元力レと雰囲気がそっくり。初対面なのに、どこか懐かしい感じがするのは、きっとそれが理由かもしれません。
ジョイポリスでいくつかアトラクションを回った後、臨海公園へ。いつの間にか陽はすっかり落ち、びゅ一びゅ一吹きすさぶ寒風に首を縮めていると、山下さんがこちらに顔を向けます。
「手をつなごうよ」
あまり深く考えず、彼の大きな手を握る。ごわごわしてるけど、すごく温かくて、何だかホッとしてる自分がいました。男の人と手をつなぐなんていつぶりだろう。
海辺で始まったウオーターイルミネーションをぼんやり眺めてる最中、彼が私の背中に寄り添ってきました。寒さから守ってくれようとしてるのか、単に寄り添いたかったのか。とにかく、彼が私との距離を縮めたがっていることだけは確かなようです。
その日の山下さんは時々、こんな台詞を口にしました。
「次のデートはディズニーシーに行こうよ」

リップサービスじやないとすれば、ソートー気に入られたってことです。でも、そのたびに笑ってごまかしていたら、彼がボヤきました。

「そうだよなあ〜。だって企画のためのデートだもんなあ」
正直に言いますが、彼の印象はバツグンです。だから、手を握るのも、背中に寄り添われるのも全然イヤじゃない。
ただ、グッと惹きつけられるような何かが足りないというか。ありきたりな表現で言えば「友達ならアリだけど恋人としては考えられない」ってことです。
それを痛感したのは、山下さんの提案で観覧車に乗ったときでした。ゴンドラから見下ろす、宝石のようなお台場の夜景。そんなロマンチックな状況にいてもまったく冷静でいられたんですから。
観覧車の中で、彼はだんだん落ち着きがなくなっていきました。私の隣と向かい側の席を行ったり来たり。そうかと思えば急に立ち上がって、ゴンドラを揺らしてみたり。
「ねえ、揺れると怖いよ」
「大丈夫だって。落ちっこないから。面白いじゃん」
「ゆっくり景色見ようよ」
「でも、もう少しで地上に着いちゃうね」
そう言ってる間も、目はキョロキョロし、視線が定まりません。
…はっ、もしや。
予感は当たりました。目をつぶった山下さんの顔が、こちらにぐんぐん近づいてきたのです。とっさに体をかわすと、彼は恥ずかしそうに自問自答をくり返しました。
「そうだよね、そうだよね。ああ〜、俺なんでこんなことしたんだろう。自分でもわかんないよ」
なんとな一く気まずい雰囲気にはなったものの、最後は笑顔で握手です。
帰宅後、どっと疲れが噴き出た私は、ベッドに倒れ込みました。読者とデートする。その非日常的な行為に、知らず知らず緊張していたのでしよう。山下さん、どうもありがとうございました。