出会い口説きALLOK

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プロの探偵の浮気調査・不倫調査の情報収集方法

内藤拓也氏は、都内に事務所を構える探偵である。氏の元に舞い込む仕事は、裏切った相手を精神的に痛めつけたり、会社に居づらくさせたり、または金でカタをつける手伝いをするなど、もっぱら男女がらみに関する依頼がほとんど。世間では、氏を『復讐代行屋』と呼ぶ。調査のプロフェッショナルからみたゴミの利用法を語ってもらった。

男に女性協力者を近づけ、ワザと新たな浮気の証拠を作って家庭内にモメごとを起こす。会社に怪文書を送り付ける。依頼王の親戚筋になりすまし相手から手切れ金を引っ張るなどなど、トラブル解決の方法はいくらでもあるが、いずれにせよ肝心なのはターゲットの環境や思考パターンを理解し、リアクションを予想した上で作戦を立てること。
よって、私は依頼を引き受けるとまず最初に対象者を徹底的に調査することから始めるのだが、その際に役立つのがゴミの分析に他ならない。伊丹十三の映画マルサの女の中で、主役の宮本信子がゴミを漁って証拠書類を探していた場面があったが、ストーカーだけでなく国税局や警察など、ゴミを情報源と考えている人間は一般の人が考えるより多いのである。

個人の情報には表と裏の二面がある。住所・氏名・電話番号・勤務先、さらに戸籍や年収など公表されているものを表とすれば、その人間の思考や行動パターン、本人さえ自覚していない噌好や癖が裏の情報だ。表の情報に関しては、役所や信用情報機関などそれなりのルートで入手は可能だが、その人間が何を考えているのか、どんな生活を送っているかは尾行を続けたところで把握のしようがない。そこで、ゴミを分析するのだ。
他人のゴミ袋の中を覗いてみたことのある人はそうないと思うが、ゴミというのは、実に捨てた人の″人となり″を表す。瓶や缶と一緒に生ゴミを捨てている人は性格も大ざっぱ。中には平気で戸籍謄本や履歴書の書き損じを破棄もせずそのままに出してる人もいる。良家の奥さんがレトルト食品ばかり買っていたり、外見から想像できないような雑誌を読んでいたり外見とのギャップに驚く場合も少なくない。
そうした分析をせずとも、実際のゴミを見ればその人間の生活はかなりのところまで把握することが可能だ。例えば、誰もが簡単に捨てるレシート。最近は店の名前の他、何年何月何日何時に何を買ったのか1点ずつ細かい品目が打ち出されるものが多いので、それを追いかければその人物の食生活だけでなく行動範囲、生活パターンを類推できる。浮気の実態調査などでは、レシートが対象者の行動記録代わりになることも多い。さらに経済状態を物語る信販会社からの請求書や給料明細。交遊関係が丸わかりの通話明細や写真、手紙。その他、使用済みの下着やストッキング、入れ歯にかつらを平気で捨ててしまう人もおり、ゴミはまさに情報の山。
その中で私がいちばん注目するのは、医療関係の診察券や薬袋などの類だ。自分が婦人科で診察を受けた、精神科で薬を処方してもらっているなどという事実は、本人が漏らさない限り他人にはわかり得ないことだが、診察券や領収書、薬袋は意外なほど無造作に捨てられていることが多い。実際、私の仕事の中でも、二股をかけていたエリートサラリーマンのゴミから大量の睡眠薬が出てきたり、お嬢さんタイプの女性が中絶手術の領収書を捨てたため三角関係が発覚したりなど、尾行や聞き込みといった調査では相当な時間をかけなければわからなかっただろう情報が、ゴミを調べるだけで簡単に判明するケースがあった。
ゴミに過剰な期待をかけるのは愚かなことだが、継続して回収することによってそれなりの情報が集まってくるのも確か。女性の場合なら、1カ月間ゴミを取れば生理期間が判明し行動に説明のつくこともある。その他にも、風俗店のメンバーズカードや割引き券、暴力団や特定団体の名刺など、相手の行動や交遊関係を知る上で貴重なゴミも多い。情報源として利用するだけでなく、私はもっと直接的にゴミを利用する場合もある。
例えば、昨年手がけた仕事に、旦那の浮気を察知した奥さんから不倫相手に復讐したいという依頼があった。彼女の望みは、2人を別れさせるのはもちろん、不倫相手の女性を精神的に痛めつけることだ。2人の素行を調査してみると、依頼主の旦那と不倫相手は密会用に小さな部屋を借りていた。さっそくそのゴミを調べた結果、彼らがそこでSMプレイをやっていることが判明した。使用済みのイチジク涜腸やコンドーム、下着や専門誌が出てきたのである。
そこで私は何回かゴミを拾い、それを女性の自宅に送り付けた。差出人の楽前はもちろん、手紙も何も入れず涜腸やゴムだけを宅配便で送る。要求のなにもない脅迫は言い知れぬ恐怖をもたらす。ゴミ送付とともに無言電話を入れれば一丁上がり。女性は情緒不安定になり、不倫を続けるどころか勤めていた会社も退職してしまった。ゴミには、こうした使い方もあるのだ。
一般の人は、ゴミとして集積所に捨ててしまえばこの世からなくなってしまったものと思っているフシがある。自分がゴミ袋を出しただけで、誰が回収してどのように処分されているのかは考えてもみない。
新聞などではストーキング対象のゴミを漁るゴミ・ハンターの存在を取り上げる一方、プライバシー保誰の意識が高まり家庭用シュレッダーが売れているなどと話題にしているが、実態はほとんどない。私がゴミ採取を行うようになって、家庭ゴミにシュレッダーゴミが混じっていたことなどただの一度もないのだから。もっとも私からみれば、例え手紙や請求書をシュレッダーにかけたとしてもムダ。
たいていの機種が5ミリ幅の帯状に刻むため、丁寧に組み合わせていけば簡単に再現できるのだ。ゴミを完壁にこの世からなくすには、自分で燃やしてしまうしかないのである。その点を考慮し、大手の企業や警察、官庁など、大勢の人間の情報が蓄積されるところはゴミは焼却炉直結で処分することになっている。関係者立ち合いの元で焼却炉に投げ込むのを確認するか、または業者に全溶解の証明書を出させているという。
ところが、年に1度ぐらいの割合で「顧客の個人情報がズサンな管理でゴミとして流出!」などという事件が発覚し、そのたび「内部規約では焼却するか裁断処理することになっていた。今後は管理の徹底を図りたい」とコメントが出る。つまり、システムが確立されていても実際にそれが現場で機能しているかどうかは別の話。少し考えれば、毎日ゴミが出るたびいちいちゴミ処理場まで確認に行くなんてことが現実に即してないのは誰でもわかる。
第一、処理業者も忙しいから、出るゴミに追いつかず、重要書類が業者の庭先などで焼却の順番待ちをしてるというのが実状なのだ。さらに中には、それさえスペースがとれず山の中に不法投機してしまう業者だって少なくない。私もある会社の脱税に関連する依頼で、二重帳簿を処分する業者を追いかけたことがあった。会社を張り込み、証拠の詰まったダンボールが積み込まれた社名のない小さな2トントラックを尾行していくと、郊外のゴミ焼却場に到着。
いざとなればある程度の金を渡して払い受けようと考えていたが、業者はダンボールを庭に放置したまま、どこかへ去って行ってしまった。そこで私は夜になるや、警備のガードマンどころか番犬一匹いない庭からやすやす目的のダンボール箱を引き上げることができたのである。自社の生死を左右する二重帳簿の処理さえそんな具合だから、銀行や信販会社が顧客の情報をゴミとして出してしまったというニュースを聞いても驚きはしない。
ある人間にとって貴重な情報源だとしても、捨てた者には単なるゴミでしかないからだ。この世にゴミを出さない人間はいない。そしてそのゴミは私のようなプロの手にかかればどんな状態で捨てようが必ず回収されてしまう。どうしても秘密にしたいモノは、自分の手で処分、それも燃やしてしまうに限る。もっとも、私の家ではごくごく普通にゴミ袋を出しているのですがね。