出会い口説きALLOK

デキル男のためのライフスタイルマガジンです。裏モノJAPAN監修の出会いや口説きに体当たりで挑戦したブログです。

性同一障害がまだ認知されていなかった頃からトランスジェンダーだった

クリスマスイヴの夜、都内の下町でオレは産声をあげた。
「こりや、美人になるなぁ。洋服を買ってあげねえと」
東北から上京してきた祖父と祖母は病院で涙ぐみが母親は人生最高の幸せだったと振り返る。初孫が娘まさに目に入れても痛くなかったのだろう。
しかし、そこにはあるべき父親の姿はなかった。

背中に龍の絵が描かれた中年の男性が自分の父だと気づいためは小学生になってからだ。入学式に、ダブルのスーツで現れ、記念撮影で号泣。思うに、オレが自分の中の含男をハッキリ意識したのは、この頃のようだ。
芽生えた違和感は徐々に大きくなっていく・保育所では性別なく《ちゃん》付けされていたのが、急に《くん》と《ちゃん》に割り振られへ体育の時間は女の列。鬼ごっこにドッヂボール、ヒーローゴッコをするときも仲間に呼ばれない。チンチン(クリトリス)は、そのうち大きくなると信じて疑わなかったのに、なぜオレだけハブられるのか。
自分の感情と周囲の対応のズレに悩み、いつしかオレは登校拒否になった。まだ誰一人として《性同一性障害》なんてことばを知らない時代である。2年生に進級してからは死ぬ気で学校に復帰した。が、屈辱の日々に変わりはない。とりわけ辛かったのがバレンタインデーだ。
本命チョコがもらいたくて仕方ないのに、好きな子から「誰にあげるの?」と聞かれる苦痛といったら。変化が現れたのは高学年になってからだ。
すでに160を超え、ガキ大将格の男にも喧嘩で勝つと急に居心地がよくなった。5 年生のバレンタインデーには、本命チョコを5個もらったほどである。

しかし親戚に預けられけられたのがきっかけで人生は変わる。家筋のいい母の姉はオレの言うことがとにかく気に入らなかったようでことあるごとに髪の毛をひっ張った。
「女らしくない子に食事をする資格はない!」
消しゴム1つ、鉛筆1本買うたびに文句を言われ、学校で喧嘩をすれば納屋に閉じこめられる。家や庭の掃除も全てオレ。まるで奴隸だがそれも中学に入るまでと辛抱した。
小学6 年冬、オレは人生最大の屈辱を迎える。初潮だ。

血を見てボロボロと泣くオレに、叔母の容赦のないことばが飛んだ。
「ほら、頭じや男だと思ってるだろっけど、体は女なの!女の子らしく生きなさい!」
「つれ」
頭のネジは完全に外れその夕方、家の前を通りかかったトラックに飛び込んだ。偶然、かすり傷で済んだが、この後、オレは股の血のジェンダー(性別) ギャップに耐えかね、人知れず十数回も自殺未遂を繰り返すことになる。
中学入学と伺時に、耐え難い屈辱がまた一つ増えた。制服のスカー卜である。短パン、ジャージで過ごせる小学校と違い、規則重視の中学でワガママは許されない。
救いの道を男子サッカー部に求めたが、部員の理解は得られない。
着替え中は、ふくらみかけの胸を好奇の目で見られ、フルチンを目の前に差し出される。女のオレをかちかってるんだろう。ったく、男が男のポコチンを見て、何がうれしいんだ!
それでも部活を辞めなかったのはバレーボール部やテニス部の女子の気を引くためだ。率先して声を出し、ボールを蹴り続けた。
誰かオレを好きになってくれ
半年後、願いは叶う。倖田來未似の由香先輩が学校帰りに話しかけてきた。その日をキッヵケに、彼女は手作りの弁当を特ってきたり、校内で堂々と腕を組んできた。

性同一障害のことも、由香から初めて聞かされた。実は彼女、男も女もイケるバイセクシュアルで、その手の知識に詳しかったようだ。.
彼女によれば、性同一障害には5段階のレベルがあるという。

感覚は男のまま外見は女性として生活できる.

顔つきが男らしくなる

一般生活が困難

ジェンダーギャップに追い詰めら衝動的に自殺未遂を起こす

完全に性転換しないと生きていけない

芸能人で例えて言ぅと、カルーセル麻紀がレべル5。オレはおそらく4段階らしい。自分は病気だったのか…。ショックは軽くなかったが、由香という理解者の存在が大きかった。彼女だけはわかっててれている。彼女だけは見捨てない。オレはしだいに由香を本気で愛するようになった。

問題はセックスだった。童貞時代の男は、セックスに対して、過大な期待と不安を持ち合わせている。むろん、イチモツのないオレは特にそれが激しくどうすれば由香を気持ちよくさせられるか悩んだ。

ついにその日は来た。旅行で両親不在の彼女の部屋でベッドイン。パジャマを脱がし、無我夢中で乳首に貪りついた。
「こ、こぅかなぁ…」 
「そ、そうやるの…あ、いい」
オレと同じ乳房とは思えない手触りは新鮮で溢れてくる愛液を夢中で吸い取った。身体を前後に股と股を合わせてもみた。
「ああああ〜」
嗚咽を漏らす由香に並々ならぬ興奮を覚えたが、何か変だ。オレのクリトリスや膣がまったく反応しないのだ。男を意識する余り、性感帯がなくなったのか。
ただ、不満はながった。彼女に奉仕を続けるうちに脳みそが卜ロけ、表現し難い気もちに包まれ.るのだ。普通の男は射精に最大の喜びを覚えるのだろうが、当然その感情はなかった。

肉体的なハンディをカバーするため、オレは以前にも増して、男らしく振舞っていた。喧嘩に明け暮れる日々。その名前は、他校に.も知れわたっていたぐらいだ。
いつの時代でも、. 強い存在に女は憧れる。性別は関係ないだから、肉体的には雌のオレに、女はラブレターを寄越したりするのだ。..
自信が確信に変わり始めた冬、アユミと知り合った。蒼井優似の美形タィプで、お互い本気で惚れ合った。しかし、2 人で撮ったプリクラのラブラブ写真を、部屋で見つけた母親は狂わんばかりに激怒する。

「ダメよ、絶対ダメ!お母さん同性愛なんて絶対に認めません!」
以前、由香に聞いた性同一障害話を熱心に説明しても、聞く耳持たず。ばかりか学校では教師に監視され、自宅では軟禁状態で一切、アユミと会えなくされてしまった。