出会い口説きALLOK

デキル男のためのライフスタイルマガジンです。裏モノJAPAN監修の出会いや口説きに体当たりで挑戦したブログです。

なぜホストはあんなにモテるのか、体験入店して確かめる

男なら、誰しも一度は不思議に思ったことがあるはずだ。なぜ、ホストはあんなにモテるのだろうかと。
ナルシストの極致のょぅな髪型、下品なス—ツ、脳タリンな会話。ルックスだってまったく普通だし、それこそ、そこらを歩くニーチャンとなんら変わらない。
なのに、なぜいつもキレイなギャルを連れ回してるワケ?ど一して追つかけとかいちやうワケ?さらにだ。試しに、手元の男性向け高収入求人誌『ドカント』を見てみると【日給2 万円以上+ 歩合】な一んて文字が躍ってる。日給2 万。何をど一したらそんな金がもらえるんだ-意味がわからん。
とにかく、昭和の硬派を自負する私から見れば、ホストなんてのは、軽
薄で、世の中をナメた商売であり…….ウソです。メチヤメチヤ羨ましいです。
下手すりゃ月収ゼロ!
某日、深夜24時。タンスの奥から引つ張り出した一張羅のスーツを着込み、私は歌舞伎町. コマ劇場からほど近い雑居ビルの前に立っていた。
「どうも、すいません。昨晩電話した和田ですけど」
4階にある薄暗い店内。通されたボックス席で待っていると、ガングロ茶髪メッシュのギャル男が近づいてきた。
「お待たせ、面接のコだよね?」
ギャル男は志狼と名乗り名刺を差し出した。名前の上に小さくチーフと書かれている。
「簡単にシステ厶説明させてもらうけどさあ〜」
私を歓迎していないのか、ただ眠いだけなのか、とにかくかったるそうなしゃべり方だ。
「基本的に出勤は夜10時半。遅刻したら罰金だから」
え?求人誌には24時半〜8 時って書いてあったけど。
「いやいや、それは店の営業時間だから。キミはもっと早く来て、女の子をキャッチすんの。じやないとお客さんできないっしよ」
「はあ…」
「それと給料は最初のーカ月は日給6千円だからね」
「え、2 万もらえるはずじや…」
「はあ一? バカじゃね一の?」
呆れ顔の私に、さらに呆れ切った様子の志狼がいう。入店1 力月後、月間の売り上け( 担当の客が使った金額)が60万を超えて、初めて日給1 万を突破する。そうでなければ金額は5千円、3 千円と減っていき、下手すりや0円って可能性もあるらしい。
ちょい待ち求人の内容どおりじゃね一じやんよ。
「大丈夫。60万を超えたら売り上げの半分が給料になるし、がんばれば上限なく稼げるから」
誇大広告に踊らされたのはもはや明白。やはり、世の中そうそうオィシィ話はないのだ。しかし、このままスゴスゴ帰るのはあまりに情けない気も…
「どうする?やる気あるなら今すぐ体験入店してもらうけど」
「は、はひ、よろひくおなます一」
裏返った声を20畳ほどの店内に響き渡せると、開店準備に追われていた6名のホストからドッと笑いが起こった。
「源氏名は何がいい?」
ス—ツのホコリを払いながら、志狼が目を向ける。源氏名か…。麗羅だの、海斗だの、しゃらくさいモノは断じていかん。お、そうだ。コレでどうだ。
「« 虫象» って名前はどうでしょうかね?」
「へ、厶シゾウ?ダサっ—. おい、勘弁してよ」
う、そんなにダサいのか虫象。
「まあ、ど一してもって言うなら別にダメ出しはしないけどさ、絶対、女ウケはよくね一よ」
「ありがとうございます」
名前が決まれば、さっそく仕事開始だ。まずは、厨房( 流し台と冷蔵庫のある小部屋) へ向い、ドリンクの作り方を教わる。手ほどきしてくれるのは、ジャニ—ズ系美男子の圭介20才)だ。あ、どうも新人の虫象っす。
「あはは、虫象って名前つけたんだ。いいんじゃね? 聞いたら絶対忘れらんないし」
圭介は昼間大学に通う学生で、ホスト歴はまだ半年。彼から酒と割り物の配分、タバコのつけ方、グラスの置き方など、一通りの基本作業を教わりつつ、私は先ほどから抱いていた素朴な疑問をぶつけた。
「他のスタッフって何才くらいなんですか?」
「だいたいレギュラ—出勤してるのは20才から23才くらいじゃん。そもそも志狼さんが21才、代表もまだ22才だし」
なにい一、ってことは25才のオレが最年長じゃん。いったいどんな世界なんだよここは!
驚いたのは他の連中も同じだったらしい。近くにいたホストが数人、ゾロゾロと興味深げに集まってきた。
「ねえねえ、虫象って25才なの?マジで?てっきり30過ぎかと思ってたよ」
「その髪型ってさ、どこでカットしてんの?なんか、まるっきり浮浪者じゃん」
「今どき黒髪ってヤバくね?ゃぼったいし、染めなょ虫象」
言われ放題、けなされ放題でぁる〇が、ここで怒っちゃィケナィ。ホスト業界は上下関係と、面接で念を押されたばかりなのだ。
「おし、そろそろお客入れるぞ」
志狼の合図で、店内に安っぽいトランスミュ—ジックがかかった。と、同時に中央のフロアに移動し、パラパラを踊り出すホストたち。何というか、異様な光景ではある。
ヒユ—ヒュ—イエーイと、タコ踊りのようなダンスを繰り出し、志狼が隣りにやって来た。
「楽しい店だろ。自分が楽しまなきやお客さんも楽しませらんないからさ。虫象もアゲアゲ( ノリノリ) でいこうぜ!」
「アゲアゲ…すか」
言いたいことはよくわかる。が、今日までまったくの異文化で育ってきたワタクシには到底楽しめそうにありません。
まるで私の存在などなかったかのように開店から30 分、ポツポツと客が入り出した。見たところ歳は18才〜20過ぎの女が多く、中には明らかに中年のオバチャンも混じっている。もっとも、客の職業や年齢を尋ねるのはタブー。先輩ホストによれば、キャバ嬢や風俗嬢らしい。
初めて接客を命じられたのは、志狼チ—フの上客、青木さやか似が来店したときだ。担当者( 指名ホスト)の志狼と青木がソファに、私と圭介はヘルプとして丸イスに座る。ドリンク作りも、新人である私の役目だ。
「え一、志狼、この前話したのにもう忘れちゃったの?」
「おい!どうした?オレの上腕二頭筋よ.忘れちゃったのか、大事な話なのに。なに?アルコ—ルが足りないって?そうかドンペリが必要ってか」
「キヤハハハ—、いいよ、ボトル入れようか」
「はい、あざ一っす(ありがとうございます) 」
青木、志狼、圭介の3人が大盛り上がりする中、私は一人蚊帳の外だった。話のテンポが速すぎて入り込む余地がない上に、あまりにも浮ついたノリに、ドン引きしてしまうのだ。
ただ、次々と繰り出す話題の引き出しの多さ、何かを振られても即座にギャグで返す回転の良さは、さすがだ。•たびたび若手芸人のネタをパクってはいるが、しっかり自分のものにしているところにもプロ意識がかいま見れる。
なかなか会話に入れぬのを気遣ったのか、圭介が突然ロを開いた。
「ところで、虫象は芸能人だと誰似てるって言われる?」
「え、ん一と.ヴィンセト• ギャロすかね」
シ—ン。こちとらギャグのつもりだったのに、大マジと受け取られたらしい。
「もう虫象ちゃん、図々しすぎ一。はいはいっ、バップ、バップ、ビ—バップ〜!」
志狼のバヵ声を合図に、店中のホス
卜がコ—ルを歌い始め、一気飲みを煽ってきた。正直、皆から注目されてるようで悪い気はしない。苦手な水割りをグィッと一ロで飲み干した。
「やるじゃ一ん虫象」「あざ一っす」
ようやく場の雰囲気に慣れたのも束の間、今度はビジュアル系の武蔵先輩(23才) のヘルプを命じられた。客はデブった久本雅美とでもいぅべきブス。新人ホストに対して、横柄な態度をとる客は珍しくないとよく聞くが、こいつはその典型のような女だった。
何を話しかけても、ほとんど無視。
どころか私の存在など端からなかったかのように、
「ねえ、アスカ、ずっと武蔵くんのこと見てていい?」
「ク〜、死ねよ歯ぐきデブ」

しかし、ここまではまだよかった。間もなく、武蔵先輩が別の指名客の元へ移り、歯ぐきと2人きりになってしまったのだ。気まずい空気の中何か話しかけなきゃと思っも、頭に浮かぶのは«体重»«職業»«武蔵にいくら金をつき込んだのか» というタブー事項ばかり。
まったく興味がないので、気の利いたセリフが出てこない。歯ぐきも心底ツマらなさそぅにタバコを吹かしている。開き直った私は、無言のまま、1 人水割りを飲み続けるマシ—ンと化した。

翌日、目が醒めると、ケ—タイのデジタルは夜9時を表示していた。なんせ、今朝の8時過ぎまで飲んでいたのだから厶リもない。頭はガンガンし、吐きそうだ。
「おっ虫象! 昨日つらそうだったからてっきり辞めちゃったかと思ったよぉ一」
アルコ—ル漬けの体を引きずり出勤した私に、クルクルと志狼がまとわりつく。
「やだな、辞めるワケないじゃないっすか」
「よしエライエライ。んじゃ今日はキャッチをがんばってみっか」
都の条例によりキャッチ行為は禁止。なんてことは単なる建前で、現実はコマ劇周辺からセントラルロ —ド、靖国通りにかけては、依然、ウヨウヨいるらしい。
「だってさ、キャッチしないことには新規客の獲得なんてあり得ないっしよ」
ノーテンキな志狼から、キャッチ禁止エリア( カラオケ店、風俗店前など)を教えられ、コマ劇方面に足を運ぶ。しかも今日は金曜日でどこもかしこも女だらけだ。ま、楽勝で
しょう
「ど一も、おばんで一す。さわやかホストクラブなんだけど一」
「3千円で朝まで飲み放題だよ」
「ホストうざいんだけど!」
1時間必死に声をかけまくったものの、ちつとも引っかからない。立ち止まって話を聞いてくれる女のコさえいなかった。ブランクのせいで腕が鈍つちまつたのか?
…違ぅな。女のコが完全無料で飲み食いできるお見パブとは違い、有料のホストクラブへ連れ込むには、やはり«ソレっぽい女» を見分ける目が必要なのだ。そもそも、ホストといぅ言葉に拒絶反応を示すのがフツーなのだから。
開店時間が近づき、スゴスゴ退散してきた私に、圭介も言う。キャッチが来店につながる率はソー卜ー低い。3日に一人捕まえれば上出来なのだと。
しかも、その客が再来店し、なおかつ自分を指名してくれる可能性となればもぅ微々たるもの。ホストクラブの料金は初回こそ3 千円だが、2 回目以降、最低3万近く払わねばならないのである。キヤッチという行為がまったく無意味に思えてくる話だ。
「いや、これがそうとも限らないのよ。系列店のヤツで不細工だけど2力月でいきなり200万以上売り上げたやつだっているし」
「え、マジっすか?それって月給がいきなり100万ってことでしよ?スゲ—」
「ま、いずれにしろこの世界、努力が大事なんだよ。オイシイ目に遭いたきゃさ」
その日は客入りが少なく、営業中もたびたびキャッチに出動した。さらに営業終了後にも圭介と2 人で«朝キャッチ» に励んだが、誰も足を止めてはくれなかった。
結果が出たのは入店5 日目の夜。靖国通りをフラついていたキャバ嬢を強引に口説いたところ、「暇だから別に行ってもいいよ」ともらったのだ。さらに嬉しいことに、付近
で遊んでいた友人まで呼びつけてくれるといぅオマケ付きである。
私は色めきたった。まさかこれをきっかけに月収100万の道が開けたりして。そしら、貧乏ライタ— なんぞすぐ廃業して、まず美容院でスケこまし風のヘアスタイルに変えて
やろう。んでもつと売れっ子になったら、青山のマンションに引越して、アメ車も買って、あとはあとは…う一ん、とりあえず貯金しとこう。
妄想を炸裂させつつ店に戻つて、2人をボックス席へ案内。仲良くソファに腰かけ、乾杯のコールを上げた。へルプ席には先輩ホストがスタンバイし、ドリンクを作っている。主役は気分がええのう。
女のコはいずれも田舎のスナックにいそうな、バタ臭いルックス。しかし、私にとっては初めて売り上げにつながる大事な客だ。ここはに入られるよう、上手く会話を運ばなければ。
「2人ともイケてるよねぇ。クラブとか好きなんじゃね一の?」
「え一わかる?いつも渋谷か六本木に行ってんだよねぇ。あつ、この曲チョ—好き!なんて曲だつけ?」
「え、ええつと…」
「それねぇ、『恋のマイアヒ』だよ。名曲だよねぇ」
言い淀む私の脇から、ヘルプの真紘(20才) がロを挟んできた。ヘルプは担当のアシスタントであると同時に、新規客へ自分を売り込むチャンスの場でもある。当然、気に入られれば次回から指名をもらえる可能性も高いワケで、みな必死なのだ。にしても真紘のガキめ、オレの初客を狙いやがるとは・・・
させるか1
が勝負は始まる前からすでに決まっていたらしい。
BGMに合わせ、真紘がパラパラを踊りだすや、女どもは大喜び。私も負けじとヘコヘコ腰をくねらせ、アピ—ルしてみたが、見事すぎる放置プレイに耐えきれず、早々にあきらめざるをえなかった。
真紘が別の先輩とヘルプを交代しても、場を盛り上げることができない。
(なにも難しいことをする必要はない。世間話でいい、他愛もない話でいいから、客とキヤツチボ—ルするんだ)
自らに言い聞かせたものの、出る題といえば、高級クワガタ( 今ハマっている) や阪神タイガ—スの話ばかり。これじゃ食いついてくるハズがない。結局、2 人が帰る際、送り指名( 外まで見送るホストを指名する。このとき連絡先を交換することが多い) を受けたのは、私ではなく真紘と武蔵だった。
はや2 週間が過ぎていた。一度でいいから指名がほしいと出勤し続けているものの、相変わらずパッとせず、日ごと志狼の小言が増えるばかり。連夜のバカ騒ぎにも疲れて
きた。
そろそろ潮時かな。そんな思いを後押ししたのが、代表のバースデーパーティの夜だった。
午後11時半、蝶ネクタイを締め、全員で紋付き袴姿の代表を迎えた。店内はいつも以上にピリビリ厶—ドだ。
「お一し、今日はできるだけ代表に飲ませないょぅにみんながフォロ—していけょ-」
「ハィッ!」
才—プン直後から店は大盛況で全12卓はすベて満席。この日のために常連客を呼んでいた担当ホストたちは右へ左へ大忙しだ。
「ぐぐI い、ぐぐ一い、ぐいぐい、ヨシ」
そこかしこでイッキコ— ルが響きわたり、客同士は張り合うょうに高級シャンパンやら高級ブランデ— を次々に注文していく。
「ドンペリ(1本5万円) ちょうだ一い」
「こっちはドンペリロゼ(1本10万円!)ね」
注文のたびに繰り広げられる«シャンパンコ— ル» なる儀式が、呆れるのを通り越し、鬱になるほどサムかった。店中のホストが集まり、キュー ティーハニ—のBGMで約5分間、延々に唄わされるのだ。
「姫はカワイイ、王子はカッコイイ、ドンペリはオイシイ〜ソレソレソレソレ」
5分で数万円が消え去っていく様を何度も見ているうち、恐怖心さえ芽生えてきた。なるほど、確かに、この仕事は、努力し、それなりの期間働けば、それなりの稼ぎを生み出せるに違いない。が、私にはどう考えても狂ってるとしか思えない。パーティが終わり、朝ぼらけの中を帰宅中、私は今日限りでバックレることを決意した。