出会い口説きALLOK

デキル男のためのライフスタイルマガジンです。裏モノJAPAN監修の出会いや口説きに体当たりで挑戦したブログです。

テレホンセックスの相手がわかったのでこっそり会いに行く

マンションに向かうと、ベンツは所定の位置に停まったままだった。まだ学校には行っていないようだ。
ところが午後になっても夕方になっても、車の動く気配はなし。さては徒歩で外出したか?いや、昨日の管理人の様子からして、アンズは常に車を使っているはずなのだが…。
せめて部屋か出先かを電話で探ろうとしたが、呼び出し音が鳴るばかりで応答はない。
マンション前に待眠機すること8時間。辺りは暗くなり、各窓にも灯がともり出した。端から2番目の316号室は暗いままだ。
(いないのか?)
車にぱかり気を取られ過ぎたか。徒歩で出かけたのなら、打つ手はない。また明日出直そう。そうあきらめかけた矢先だった。空突如、316号室の窓がオレンジに光り、ほどなくして携帯電話に着信が!もちろん発信者はアンズだ。
「もしもし」
「あ、今日お昼、何度も電話くれたみたいでゴメンね」
「ちょっと暇だっただけだから」
「ゴメンなさい。寝てて気付かなかったの」
昨晩の電話の後、朝までテスト勉強していたため、たった今起きたばかりなのだとアンズは続けた。
「それで、着替えてるの」
「え?」
「今、下着なの」
まだ夜の8時だというのに、起きたばかりだというのに、あの灯の向こうでアンズは火照った肉体を慰めようとしているのか。
正直、気は乗らなかった。これだけ待たされた結果がいつものテレホンセックスだなんて。しかしこのとき譲歩して2度の絶頂を味わわせたことが、引きこもり状態だった本日のアンズをマンションから引っ張り出す引き金となったのである。電話を切って数分後に316号室の灯は消え、玄関からアンズが姿を見せた。追え。
ベンツは医大の駐車場に着いた。俺も車を隣に停め、後を追う。昨日今日の行動やテスト続きのスケジュールからして、学校しかない。渡り廊下にある自動販売機で立ち止まるアンズ。コーヒーを買っているようだ。研究室にでも入られては手も足も出ない。行け、今だ!
「あの-、すみません」
「はい?」
「病院はどこですか?友達のお見舞いに来たんだけど」
「あっちに行ってあの建物の向こうの…」
電話で何度も聞いたあの声だ。
今、丁寧に道案内をしているのは、ほんの数分前に中出しを懇願したあの声なのだ。
「ありがとうございます」「どういたしまして」
「看護師さんですか?」
「いえ、私は学生です」
白石礼子となったアンズは、いつも以上にハキハキしゃべる。目の前にいるのがナオヤだとはきずきもせずに。
「時間あれば、お茶でも飲みませんか?」
「え、あの、勉強中なので…」
「勉強終わってからならいい?」
「いえ、だってあなたが誰かわからないですし」
学生ラウンジのテーブルにつき、カバンから大量の教科書を引っ張り出したアンズは、迷惑そうに目を伏せる。
あなたが誰かわからない
その冗談のような台詞を反濁しながら、俺はラウンジを出た。生身の肉体を堪能する機会はあっけなく失われた。テスト勉強で忙しかったからか、すでにスッキリした後で男を必要としていなかったのか、あるいは俺の器量に問題があったのか。
あれだけ親しいはずの女にフうれるとはショックだったが、同時に、彼女がナンバの誘いに安易に乗らない女だったことに安堵する自分もいる。
(フフ、あいつはナオヤ一筋なんだな)
車に戻った俺は、アンズの番号をプッシュした。直談判に失敗して落ち込む俺を、その甘えた声で慰めてくれないか。
プルルル、プルルル…。
出ない。勉強中は出ないのか。たとえナオヤでも邪魔なのか。もしかして先の一件を声で見破ったなんてことは…。
ふと、何者かが目の前を横切り、ベンツのドアを開けた。アンズだ。帰るのか?怖くなって警察へ?いや、カバンがない。手に握っているのは携帯だ。
すぐに俺の携帯が震えた。発信者、アンズ。
「もしもし」
「今、電話くれた?」
「あ、勉強中にごめんね」
「うん、大丈夫だよ」
「今どこにいる」「え、家だよ」
セーフ。バレてはいない。アンズはまだ平然と嘘をついている。
「ナオヤはどこにいるの?」
「ん?俺も家だよ」
後部シートの影に隠れ、隣のベンツ車内を凝視すると、前方の街灯に黒い人影がかすかに照らされるのが目える。これって…。
すぐに俺はいつもの展開に持ち込んだ。
「アンズさ、今どんな格好してるの?」
「セーターにパンツだよ」
セーターにパンツ。正直に答えている。素直な女だ。
「脱いでごらん」
「ダメだよ」
「どうして?誰かいるの?」
「うん」
「じゃあ、いいじゃん。胸を触ってごらん」
「イヤだ-」
この戸惑い。やはり彼女のテレホンセックスは律儀に行われていたのだ。口先だけでアエげるほど器用ならば、今この状況でも相手をするはずだ。
「じゃあ服の上から胸触ってどらん」
「え-」
「ゆっくり吟採んで」
車内で黒い影が動いた。運転席のシートを倒したアンズが、右手を胸に。
「どう?感じる?」
「もうヤだ-」
「ほら、もっと操んでごらん」
「ウーン」「乳首触って」
「ヤだ-。もう終わり」
激しい展開にはならなかった。ならなかったが、人目を気にしながらわずかでも命令に従おうとした彼女の健気な姿に、俺は初めてテレホンセックスのあじを知った。
「じゃあまたね」と電話を切り、学生ラウンジへと戻るアンズ。
「あのね、今日、学校でナンパされたの-」
「へえ」
横浜に戻った日の深夜、アンズから報告があった。本当は昨晩の出来事だが、横浜在住と偽る彼女に、深夜のラウンジで自習していたという設定は使えないのだろう。
「どんなヤツだったの?」
「なんか、見舞いに来たとか言ってるのに、ずっとそばにいるの」
「ついていけば良かったのに」
「え-やだよ-」
「タイプじゃなかったの?」
「え、普通だったけど」
普通と聞いて案ずる俺。まったく情けない話だ。幻想の中でしかソノ気にさせられないなんて。
今後も俺は彼女のオカズでいるしかないってことか。そんな思いを何も知らず、学校
でナンバしてくるなんて気持ち悪い男だとさんざん罵り鑑終えたアンズは、またいつもの甘えた声を出すのだった。
「ねえナオヤ。今、私どんな格好してると思う?」