出会い口説きALLOK

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浮気調査・不倫調査の探偵の証拠の探し方仕事のやり方

都内某所で興信所を構える私立探偵の元には、毎日、種々様々な依頼電話がかかってくる。中でも多いのが男女がらみのトララルだ。浮気調査・不倫調査はどうやって進められるのか、ここでは『復讐代行屋兼別れさせ屋』などと呼ばれる内藤氏が、実際に扱ったケースをとリ上げ、プロのテクニックを紹介します。
どんな依頼にせよ、私の調査はまず対象者のプライバシーを徹底的に洗うことから始まる。何時に家を出て、どんなルートで会社に行くのか。さらには交遊関係や特定の趣味はあるのかなどなど、その人物の行動パターンがわかってから目的にあった手段を講じるのが常である。では、どうやってプライバシーを探るのか。

尾行を続ければある程度のことはわかるだろう。だが、それでは時間ばかりかかってしょうがない。バカ高い調査費を要求するどこぞの興信所じゃあるまいし、そんな仕事で客に負担をかけてはプロの名が泣く。人件費をかけず短期間で確実な成果を上げるにはどうすればいいか。ここ数年私は対象者が出すゴミをチェックすることにしている。何気なく捨てるゴミが、実は本人さえ自覚していない人格を描き出してくれるのだ。
昨年の暮れ、一風変わった仕事がまい込んで来た。ある女性の部屋に、こっそり盗聴器をしかけてほしいという依頼である。ご存知のように盗聴器を設置するのは違法行為。そんな仕事を引き受けることなどできっこない。だが、とにかく話を聞いてほしいと訴える男の情熱に押し切られ、電話をかけてきたA男を事務所に呼ぶことにした。1時間後、やってきたA男は見るからに高級な服を身につけた商社マンだった。差し出す名刺には、誰もが知っている一流企業の名前が印刷され、聞けば26才という若さで何人かの部下を持つエリートとのこと。そんな彼がなぜ盗聴器をしかけるなどという物騒なことを言い出したのか。
事情を聞いてみると、彼には恋こがれているB子という同僚がいるが告白できず、その想いが「彼女のすべてを知りたい」という異常な執念を燃やす結果となってしまったのだ。A男がB子と知り合ったのは2年前。彼女が新入社員として入ってきた際、彼と仲のいい同期の人間が世話をしたのがきっかけで、いつの間にかA男とB子、それに同期や上司を交えた仲のいい男女6,7人のグループが出来上がったらしい。

誰かの誕生日と言っては飲みに誘ったり、休日に車何台かを連ね、ドライブに行ったりするようになりグループ交際が始まった。いままで女性とつきあったことのない奥手のA男にとって、女の子たちと一緒に遊びにいくなど初めての経験。最初は単なる遊びともだちの1人だったが、気さくに声をかけてくるB子に徐々に恋心を抱くようになる。短大を卒業して一流商社に入ってくるぐらいだから、B子はいわゆるお嬢様育ちに違いない。好きだと告げ、もし断られたらいままでのように一緒に遊びに行くこともできなくなってしまうのではないか、そう思うと恐いのだ。それならばいっそのこと、このまま〃気のおけない友だち″としてつきあっていった方がいい。毎日、B子と会社で顔を合わせ、廊下ですれ違ったときに立ち話をしたり、たまに会社帰りに飲みに行ったりする。それで満足しようと決心した。
そんなとき、B子が3日間も会社を休んだ。体調が悪いと会社に連絡はあったものの、仲間に聞いても詳しいことはわからず。出てきた後に休んでいた間のことを聞いても「ちょっとね」で済まし、何も言わない。それがA男の気持ちに火をつけてしまった。学生時代の恋人と別れてからつきあっている男性はいないと言っていたが、あれはウソではないか。自分に隠れて誰かと交際しているのではないか。そんな妄想にとらわれ、仕事に集中できなくなってしまった。思い悩んだあげく、それを探るためには盗聴器をしかけてもらうしかないと思いこみ、私のところへ電話をかけてきたのだ。話を聞き、私は仕事を受けようと思った。一見、自信満々ないまどきの若者にしか見えないA男の純情さや屈折の仕方にも興味を覚えたが、話に聞くB子の生活を見てみたいと思ったのである。

盗聴器をセッティングすることはできないが、B子が誰かと交際しているかどうか調べることは可能だと言う私に、A男は「お願いします」と頭を下げてきた。こういう調査に最適な方法が、前回の調査でも触れたゴミのチェックである。相手が女性の場合は最低1カ月、燃えるゴミの回収を行う。変な話、生理時期がわかれば不審と思われた行動に説明のつくことも多いのだ。私はA男にその旨を伝えた。さっそく翌日からB子のゴミの回収を開始した。朝6時、A男に聞いた住所を頼りに彼女が一人暮らしをするマンションへ行ってみるとなんと某大使館のすぐ横という環境。大使館には常時警備の警官が受信機持参で張り付いているため、万一盗聴器などしかけたら一発でバレ、やっかいなことになっていただろう。
私はスタッフとともにマンションの出入り口が見渡せる場所に車で待機、B子が出てくるのを待った。7時を回り、ゴミ袋を下げたB子が出てきた。実はゴミを回収するといっても、そう簡単にはいかない。袋がみな同じなので対象者が捨てたものを間違いなくゲットするのは一苦労なのである。しかも、ゴミ集積場に捨てに行く人がいても不思議じゃないが、ゴミ袋を取っていく人間がいれば不審なことこの上ない。そこで考えたのが、次のような方法だ。まず、ゴミ袋を持った女性スタッフが集積場に行き、対象者が捨てたゴミにスプレー式のインクで印を付ける。

そして人のいなくなった隙をうかがい車で横付けし、さっと取るのである。B子の住む地域は、月・水・金曜が可燃ゴミの日に当たるため、彼女が出勤する7時前に待機。大使館を警備している警察官に疑われないよう毎回、車とスタッフを変えて1カ月間回収しまくった。その結果、思いもしないゴミを拾ってしまったのである。毎週、月・水・木曜の朝になると、私は事務所で軍手十ビニール手袋にマスクという姿でゴミを侍ちかまえた。スタッフが取ってきたB子のゴミをチェックするためである。
普通、女性の場合、お風呂場や洗面所のゴミ、キッチンのゴミなど、ゴミ箱ごとに小さいスーパーのカシャカシャ袋に入れ、それをさらに大きな指定袋に入れるパターンが多い。だが、それと同じくらいの割合で、何もかも全部いっしょくたに捨てる女性もいる。とくに外見からいかにもきちょうめんな女性に限って不燃物もごっちゃ混ぜに捨てていたりするから、B子のゴミがそうであっても特に驚きはしなかった。こうして1週間、2週間するうち、B子の生活が浮き彫りになっていく。彼女はA男から聞いたような大人しいお嬢様とは違い、かなり派手な生活をしているようだ。

携帯電話の通話明細には4万円分近くの通話記録が残っていたし、銀行のローンと、サラ金からの督促状も捨てられていた。いくらなんでもサラ金の督促状を捨てるときには、せめて四つぐらいには破くのが普通だろう。が、彼女はまったくそのまま。この手の人間は、ゴミは自分が捨てた段階でこの世からなくなってしまったものと捉えているのである。ゴミを収拾し、処分している人がいてはじめて自分がゴミを出せるなんて思いもしない。まして私のような探偵が、よもや自分のゴミを回収していることなど、想像したことすらもないのである。実は2週間目に、決定的ともいえるゴミが出た。レディースクリニックとうたった医者の診察券と薬袋、そして「手術を受ける方へ」と書かれた領収書を兼ねた注意書きのパンフレットである。

常識的には、B子がその医者で堕胎手術を行ったとしか考えられない。見れば、A男が3日間と称した最初の日の日付けが診察券にも薬袋も入っている。念のため、中絶するための費用はいくらかかるのか、女性スタッフにその病院に電話で問い合わせをさせた。答はピッタリ。しかも、手術の日と翌日安静にしていれば、その後はすぐに通常の生活に戻って支障ないとのこと。私はA男を呼んで結果を伝えた。ゴミの中から出てきたB子名義の診察券や薬袋などを見せながら、彼女のことは忘れた方がいいのではないかと説明したのだが、彼はどうしても本当のことと思えなかったらしい。3日後、A男から私に電話が入った。遊びグループの仲間でもある上司C太(34才)に相談したという。するとC太は、B子が友だちに保険証を貸してやっただけではないかと言ったらしい。
「友だちに、親に内緒で手術受けなくちゃならないとか泣きつかれてさ。B子は人がいいから」ウマイことを言うものだ。実はB子の交際相手というのは、このC太だったのである。ゴミの中にはC太宛のメモやツーショットの写真があった。C太が独身なら堂々とつきあえるが、彼は既婚者。B子とC太はA男の気持ちを知った上、アリバイのために彼を利用していたのだろう。2人のことを信頼して、微塵も疑っていないA男に事実を告げるのは忍びなく、彼がB子をあきらめれば2人の関係を暴露することもないと思って伏せていたのだが、それが裏目に出てしまった。よりにもよって、A男が当のC太に相談するとは。年が明けて1月、A男から年賀の電話が入った。
「内藤さん、どうもいろいろお世話になりました。目をかけてくれるC太さんの期待に応えるためにも、今年は一生懸命頑張りますよ、ここで」
A男は1月1日付けで東北の関連会社に出向になったという。一応、栄転の形は整っているが、左遷は明らか。C太は、彼がこれ以上B子につきまとえば自分たちの関係がいつか暴かれてしまうのではないかと思い、A男を排除したのだろう。そんな思惑などまるっきり疑う素振りもなくC太のことを信頼しているA男を見て、本当のことを言うべきかどうか悩んでいる私である。