出会い口説きALLOK

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強迫性障害で潔癖症なのにスカトロAV男優に

※この記事はお食事中の方はご遠慮ください

治すべきか、治さざるベきか。精神を病んだ患者を前に、つい悩んでしまうことがある。
むろん、医療倫理からすれば、治療の放棄などあり得ない。が、その病気が、当人の生き甲斐と深く結びついていた場合はどうだろう。ノイローゼが高じて独自の画風を編み出したゴッホや、自らの幻覚を小説で著した芥川龍之介など、神経の病気が偉大な成果を生んだ例は珍しくない。
病気であるが故、予想もつかぬ能力を発揮する者たち。そんな患者を、私は数多く手がけてきた。
数年前の春、山下(仮名34才) という男性を診た。フェチ系のAVメーカーのインディーズ男優だった。
2年前にコンビニの契約社員をクビになった後、エロの世界に居場所を見つけたまではよかったが、同じ頃から激しいノイローゼを併発したという。
「潔癖症だと思うんです。ドアを触るにも、ハンカチなしじやどうにもならないですし。公衆便所なんぞはハンカチがあっても触れません。自宅に帰ったら、全身を108回、ミューズで洗い流します。わかります? 煩悩の数ですよ」
終始おびえたような語り口と、目深に被った巨大なベレー帽。典型的な強迫性障害だ。
「これも見てください。撮影の後はいっつもこうなんです。もうメチャクチャで」
彼がおずおずと帽子を脱ぎ去った下から、落ち武者のごとく禿げ上がった頭皮が現れた。何でも、数力月前から自分で引き抜くようになったという。
「撮影が終わると、うわ一ってなりまして。ブチプチやってしまうんです。それも、てっペ んがキレィに禿げないと、どうにもスッキリしなくて」
どうやら、AV業界の激務が、極度のストレスを与えているらしい。職場を変えた方がよいのではないか。
「いや、私、普通の仕事だと遅刻ばっかりで…。鏡の前に立つと、髮が揃ってないかが気になって、直すのに1 時間ぐらいかかるものですから」
なるほど。では、せめて男優業から足を洗い、しばらくアシスタントに専念すべきだろう。
「それもちょっと…。私の数少ない趣味ですので」
「と、言いますと?」
「・・・で」
「はい?」
「私、スカトロ専門の男優なんです。」

思わず言葉を失った。スカトロと潔癖症など、磁石の両極ではないか。
「ええ。だからプレイの後は、いつも全身が瞳れ上がるまで体を洗うんです。それでも、やらずにはいられなくて」
新作を送ります。治療の参考にしてください
後日、山下が送ってきた主演ビデオは、凄惨の一言だった。バケツに溜めた人糞をためらいなく浴び、女優の吐物を嬉しそうに舐め回す彼。その表情は、異様な幸福感に満ち溢れている。
もっとも、脅迫性障害の治療自体は難しくない。基本的に脳の回路がエラーを起こした状態に近いため、定期的に抗鬱剤を投与すれば半年ほどで8 割は治ってしまう。このときも、約3力月で全身を洗う回数が減り始め、ほどなく症状は快方に向かった。
が、本当の問題はここから。投薬から半年後、山下がやつれ果てた顔でクリニックに現れたのだ。
何でも、潔癖症が改善するに従って、スカトロへの興味までが消えてしまったらしい。
「やる気がしなくて… 。現場で人糞を見ても、カーツとしてこないんです」
そこで、半ばヤケクソで便をほおばってみたところ、女優が傷ついたような表情で諭してきた。
そんなに辛いなら、食べて贳わないほうがいいです…結局、その場は、別の男優に代役を頼むしかなかったと言う。
「もう自分が情けなくて…。先生を責めるわけじゃないですけど、治療のせいだと思うんです。これなら潔癖症なんて治さなくても良かったんです」
タブー破りこそがスカトロの原動力。人糞への嫌悪感が薄れれば、快楽も消えていくのが当然だと、彼は力説する。
とはいえ、いまさら脳の状態を元に戻すのは不可能に近い。ガックリと肩を落とす彼に、私はかける言葉もなかった。
「久しぶりです。あのときはご心配をかけてすみませんでした。もぅ大丈夫ですから」
再び山下から連絡があったのは、そろそろ治療の記憶も薄れかけた年のこと。
聞けば、あの後、しばらくサンドイツチマンやティッシュ配りなどの職業を転々とした彼は、ある日、気が付くと六本木ヒルズに立っていたという。
理由は分からない。が、森ビルの壮大なガラス建築や、楽しげに行き交うカップルたちを眺めるうち、フツフツと内なる声が沸き上がってきた。
「こいつら、こんなキレイな場所で遊んでるくせに、みんな腹にウンコを溜め込んでるんだな」って。そう思ったら、一気にいろんなものが汚く見えてきましてね。
お陰で潔癖症にも戻ってしまったんですけど、前よりはヒドくないですし。満足してます。
もはや精神科医にすら理解の及ばぬフェチの心理。が、彼の声はあくまで爽やかだった。
その後、業界トップのスカトロ俳優として復活。昨年度には、某エロ雑誌のランキング企画で、助演男優賞の栄誉に輝いたと聞く。