出会い口説きALLOK

デキル男のためのライフスタイルマガジンです。裏モノJAPAN監修の出会いや口説きに体当たりで挑戦したブログです。

吊り橋効果は本当にあるか吊り橋の上で口説いてみる

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ここ数年、力ノジョがいた時期がほとんどない。付き合っても長続きしないのだ。続いて半年。いや、見栄を張った、3カ月くらいか。とにかくすぐダメになる。理由は明らかだ。自分から惚れたパターンばかりだからだ。惚れて、拝み倒して、半ばむりやり付き合い始めるもんだから、ちょっとした拍子ですぐフラれちまう。女ってのは難しい。
ダメになるたび思う。やはり女には惚れちゃいけない。惚れさせるべきなのだ。といっても、それがラクにできるほど取り柄がいっぱいあるなら、こんな苦労はしてないわけで…。そこで俺は『吊り橋効果』にすがりつこうと思い立った。これ、心理学の有名な定説で、

吊り橋を渡るときのような恐怖感、緊張感を共有した男女は親密になりやすいことを意味している。

映画などでよくある展開だ。バスに閉じ込められた2人が恋に落ちたり、犯人に追いかけられてる2人がセックスしたり。言ってしまえばべタな話なのだが、効果的なアイデアとは、常にシンプルなものなのかもしれない。

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俺は北関東の温泉街にある吊り橋に向かった。温泉街は雪だらけの山の中にあった。道路も除雪されておらず、足元に気を付けないと転びそうだ。まもなく吊り橋があった。けっこうな高さの渓谷にかかっている。

当たり前だが、万橋ケタはない。ワイヤーで宙ぶらりんになっている。橋の上は、ビュービュー風が吹いているうえ、手すりの高さも胸より下だ。そしてギシギシ揺れている。万がーワイヤーがブチンと切れたら終わりだ。いい力ンジいい力ンジ。この大迫力、オナゴ連中ならキャーキャーもんだろう。

さて、こんなところにやってきた俺、別にオトしたい女を連れて来てるわけじゃない。そんなのがいればさっさと温泉宿に向かってる。惚れさせる女は現地調達だ。何度か吊り橋を往復したあと、橋のたもとで女の子を待った。

真冬の寒い時期だからか、見物客はパラパラだ。力ップルたちを見ていると、先入観からか、橋を渡った後のほうがより親密になっている気がする。すでにデキてる連中にも、吊り橋効果は効くのかもしれない。

「すごーい」「ほんとだね」

後ろかり女の声がして、はっとした。女の子2人組が目をランランさせてる。来たー彼女たちが橋を渡り始めた。追いかけろ。

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「チョー高いですよ」
2人組は、これといって怖がることなく歩き続けた。橋がギシギシ音を立てても大して気にしてない。

「揺れるね」「そうだね」

始終こんなカンジだ。なんだか調子が狂ってしまう。接触のタイミングを見計らつていると、片方の子と目があった。いざ声をかける。

「風強いね」「強いですね」「吊り橋どう」「まあ、吊り橋って力ンジ」

なんだそれ。

「下までどれくらいあるかな?」

「えー。とりあえずチョー高いですよね」

2人が下をのぞき込む。でも怖がってるようには見えない。あっけらかんとした感じだ。彼女らのそばをくっついて歩くうち、吊り橋を往復し終えた。これで同じ恐怖感を共有した…ってことでいいのか?

「このあとなんだけどさ?」「はい?」「よかったらご飯でも食べない?」「え」

2人が顔を見合わせている。

「すみません。これから行こうと思ってるところがあるんで」

そうだよね。うん。
「落ちたらどうなるを思う?」「はははっ。こわいー」
こんなに高い吊り橋を怖がらないなんて、アホじゃないか。想像力が乏しいというか、危険察知レベルか低いというか。ワイヤーが切れたときの事態を思い浮かべられてないのだ。

今度はいかに危ない場所なのかを説明してやろう。よし、そうしよう。女の子4人組がやってきた。さっきの2人と同様、あっけらかんとした力ンジだ。俺は、橋の真ん中で待ちかまえて言った。

「すごい揺れてるよね?」「そうですね」

お調子者キャラっぽい子が反応した。

「こんなに揺れて大丈夫かな9落っこちたりしないかな?」

別の女の子が、さも当たり前のように言う。

「ま、それは、たぶんないんじゃないですか」

「そうとは言い切れないよ。万がーってのはあるからね。下を見てごらんよ」4人が下を見た。
ではなく、シレっとした表情で。んー。まだピンときてないようだ。もう少し脅かそう。

「落ちたらどうなると思う?」「はははっ。こわいー」

「ヤバくない?」「まあ、たぶん、死にますよね、ていうか即死ー」

彼女たちはケタケタ笑い出すと、橋の真ん中で「ねー写真撮ろうよー」とポーズを取った。何でそうなるの?
ワイヤーを掴ん揺さぶり攻撃

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その後も脅かし作戦を続けたが、反応は薄かった。

「吊り橋は横風に弱いんだよ」「…そうなんですか」

「ほらほら、この音」「はい?」「この音、ワイヤーが悲鳴あげてるんだよ」

ホラを吹いても、みんな笑うだけ。惚れる気配はーミリもない。
もうこうなりゃ自分で橋を揺らしてやろう。さすがにグラグラしたら恐くなるはず。グッドアイデアだ。ちょうど橋の上に2人組がいる。ハデに転んでやれ。トスンー橋が大きく揺れた。ギシギシ床がきしみ、2人も手すりに手をかけた。いいぞいいぞ。

今度はワイヤーを掴んで揺さぶりだ。ぶらーんぶらーん。橋の上の全員が何事かとキョロキョ口している。犯人と思われるのは勘弁。俺も素知らぬフリをしてキョロキョ口しておいた。では、2人にアタックしてみましよう。

「揺れますねえ」「…ですね」

「揺れるとは聞いてきたんですけど、こんなに怖いとは思いませんでしたよ」

「…そうなんですか」「こういうときは、みんなで渡ったほうがいいですよね」

「はあ…」
「よし一緒に渡りましょう」

強引に2人の前を歩きだした。チラりと振り返る。ちゃんと付いてきてる。でも無言だ。揺らしてるのを見られていたのかも。そのまま橋を渡り終わった。一応メシに誘ってみたが、2人は逃げ去った。
昼を過ぎて風が強くなってきたせいか、見物客の数がぐんと減った。ただでさえ少ない女の子グループはまったく来なくなった。雪の中でポツンと一人。すでに30分以上待っている。とにかく早いとこ誰かと仲良くなりたい。この際、おばちゃんでもいいかも。タイミング良く、40才くらいの子連れおばちゃんが来た。俺はひらめいた。よくマンガなんかで、頭の上に電球が光るのがあるが、まさにあんな感じだ。
子供をビビらせる→母親に恐怖が伝わる。どうだ、これー急いで親子のあとを追い、4才くらいの男の子に話しかける。

「ボク、(とうりゃんせの歌)知ってる?」子供は少し黙ったあと、ニコっと笑った。「知ってる」

「この橋もそうだよ。行きはョイョイ帰りはコワイだから。ボク、もう家に帰れないよ。こっから落っこちちゃうよ」

かわいい目が、俺をまっすぐ見つめている。母親がすかさず絡んできた。

「ちょっと怖がらすこと言わないで下さいよ。この子、友達の子なんだし」

へ友達の子?どういうことなの?

「お母さんは高所恐怖症なんでムリだって。ほら、あそこで待ってるんですよ」

橋のたもとをみると、女がこっちを向いていた。…ふーん、そういう人がいるのか。高所恐怖症だなんてものすごくありがたい情報だ。もし橋に乗せることができたらもらったも当然だろう。たもとへ走る。

「すみませーん」「はいっ」

「もしかして高いとこ苦手な人ですか?僕もそうだから、そうかなと思って」

「はい、高所恐怖症で」「僕も一人で渡るの恐いから一緒に渡りませんか?」

「私はやめときます」「そこをなんとか」「ホントに嫌なんで」

おばちゃんはクビを横に振り続けた。

「わかりました。じゃあ、僕が頑張るのを見ていてください」「はあ…」

「僕が真ん中まで行けたら、一緒に渡ってくださいね?」

約束を押しつけて、俺はひとりで橋を渡り始めた。ようやく真ん中にたどり着き、後ろを振り返る。すでに女はいなかった。
「おばあちゃん、落っこちて死にますよ」
山は日が沈むのが早い。西日もだいぶ傾いてきた。時間かない。ここまで成果が上がらないと、もはやヤケクソになってきた。若い子はいないし、オバサンもダメ。残るはバアさんしかない。普通に誘ってもお茶くらいはできそうだ。あら、ナンパなんて何十年ぶりかしらってなもんで。惚れさせてどうすんのかって話でもあるが。

バアさん2人組がいた。一人は金髪でファンキーだ。行きましよう。

「お元気すね。こんな揺れてる橋を渡るなんて」

ワイヤーを揺さぶりながら近づいていく。
「コワイでしょ?」「ぜんぜん」

ならばとその場でジャンプした。吊り橋がグラグラ揺れる。

「ほら、橋が壊れますよ」「うわあ、うわあ」「おばあちゃん、落っこちて死にますよ」「こら、もう止めてよー」

どうだ、ビビったか。俺をナメるなよ。てか、いったい俺はどこへ向かおうとしてるんだ?さんざんバアさんを脅かし、橋を渡り終えたところで声をかける。

「よかったらお茶でも飲みませんか」「バ力なこと言わないで」

バアさんは、さも当然のように断った。

「ダメですか」
「ダメダメ。他あたって」
というわけで、今も俺には彼女がいない。惚れたキャバ嬢に土下座でもするしかない。