出会い口説きALLOK

デキル男のためのライフスタイルマガジンです。裏モノJAPAN監修の出会いや口説きに体当たりで挑戦したブログです。

ちゃんと付き合ってからじゃないとエッチはしたくない

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厚い胸板、太い腕、服のセンスなど、すべてにおいてストライクなとび職人くんからデートのお誘いを受けて舞いあがる。
午後5時。祝日でごった返す渋谷を、私はひとりで開歩していました。淳くんとの待ち合わせまであと30分。うれしいなあ。あんな理想的な男子とデートができるなんて。

そう考えると、つい最近までうっとうしくて仕方のなかった「クリスマスで浮かれまくっている世間」も、また違った風景にみえるから不思議です。

恋する男女の姿って、なんだか微笑ましいわね。ああ、私もはやく彼氏を作って、聖なる夜を一緒にすごしたい。そのためにも今日のデートは、マジで気合い入れなくちゃね。
私の胸につられたんじゃない
約束の時間より少しはやいタイミングで、淳くんから電話がありました。

「いま109前に着いた」
「ホント?すぐ行くね」
電話を切って辺りをうかがうと、彼が乗ってきたという白いステーションワゴンが停車していました。あわててアナスイの香水をふりかけて、唇にグロスをたっぷり塗りこみます。

以前、メールで「俺って唇フェチなんだ」と申告していた彼の気を引くのです。

「お疲れさまー。わざわざ迎えにきてくれてありがとう」

「いいよいいよ。じゃ行こうぜ」

車は一路、池袋に向かって走りはじめました。今日は、淳くんオススメのラーメン店で食事をしてから、映画をみる予定です。まもなく、目的のラーメン店に到着し、2人ならんでつけ麺をつるつるとすすりました。なかなかの美味です。
ふと、淳くんが口を開きました。

「そういえばピンク(彼がつけた私のあだ名)ってさ、どういう男がタイプなワケ?」「見た目は冷たそうだけど、ホントは優しい、みたいな人かな。ガリカリな人とかナョナョした人はちょっと苦手かも」

「要するに、男らしいやつってことか?」「そうだね。淳くんは?」

「俺は上戸彩がモロタイプだな。あのアヒル口がもうたまんない」

のっけから高いハードルを突きつけられ、ちょっとヘコみます。いくらグロスを塗りたくったところで、あのキュートな唇には絶対かなわないもんなあ。

「確かに彩ちゃんかわいいよね。でも胸の大きさなら負けないよ」
柄にもなく、思い切ったアピールができたのは、日ごろから母親にさえ「巨乳を武器にせよ」と口うるさくアドバイスされているおかげでしょう。しかし彼は、さらりと言ってのけるのでした。

「俺、あんま胸の大きさとか興味ないんだよね。どっちかというと小ぶりな方がイイくらいだし」

このセリフ、どう理解すればいいのか。胸には興味ないけど、デートに誘ってくれたってことは『俺は巨乳につられたんじゃないというキャラクターが気にいったからなんだぜ』そういうことですよね?
手を握ってくれたらうれしいのにな
なんとなく微妙な気分で出たあと、新宿の映画館へ。お目当ての映画は正直、退屈な作品ですが、クリーンに視線を戻すなんてことをくり返しているうちに、期待と不安の入り混じった、妙な気分になってきました。

(彼にいきなり手を握られたら、どうしよ)こういうシチュエーション、嫌いじゃありません。

触れあいそうな距離に彼がいると思えば、ドキドキしっぱなしで映画どころではありません。ときどき、チラッと横目で淳くんの顔を見ていたら、何度か目が合いました。
彼はそんなことしないだろうな。だって初めてのデートだし、私をまだ友だちとしてしか見てくれてないような気もするし。だけど、ちょっとだけ握ってくれたらうれしいな。

勝手にドキドキしながら待ってはみたものの、彼の手は一向に伸びてはきません。じれったくなり、握りやすそうな位遺に自分の手をもっていったり、ひじかけに寄っかかったりもしてみましたが、まったくのノーリアクション。映画に没頭しているようです。結構マジメなのね。ひとりで妄想ふくらませちゃって、私、バカみたい。結局、ストーリーの半分も理解しないまま映画は終了し、私たちはまっすぐ駐車場へ向かいました。「なかなか面白かったね、映画」

「うん、そうだね」いい加減な返事をしながらも、私はささやかなよろこびを噛みしめていました。
あったかい舌がにゆるりと口の中に
楽しかったデートもついにエンディング。あとは淳くんの車で自宅へ送ってもらったらそこでバイバイです。ちょこっと物足りない気もするけど、ま、しょうがないよね。

助手席のドアが閉まった直後、淳くんの太い左腕が、いきなり私の休を抱きよせました。えっ?えつ?
ハッとする間もなく視界の中で、彼の顔がウルトラマンのオープニング画面のようにだんだんと大きくなっていきます。ナニナニ?まさか?きゃーウソでしょ?

何の前触れもなく、まったく唐突に、彼は私のくちびるを奪ったのでした。はじめは軽くチュッと。しかしすぐに彼の舌が、にゆるりと口の中に滑りこんできました。あったかくて、やわらかくて、とってもよく動く舌が。慌てて淳くんを押しとどめました。私のこと本気で好きなの?遊びのつもりならイヤだよ。

「どうしてキスするの?」

「したいから」

「でも知り合ったばかりだよ」

「そんなの関係ないじゃん」

判断のつかないうちに、また抱きよせられました。すんなり受け人れたのは、もちろん、私も本心ではそれを望んでいたから。細かいことは置いといて、とりあえずいまは甘い気分にひたりたかったのです。

そんな感じで始まった二度目のキスは、最初よりもさらに激しいものでした。たがいの舌を絡めたり、吸いあったり。淳くんは興奮しているのか、鼻息を荒々しく鳴らしています。
デートはそれが目的だったの?
時間にしてわずか数分。けれど1時間も続いたように思えた濃ゆーいキスタイムが終わり、淳くんがポツリと言いました。

「ね、いまからホテルにでも行かない?」

私だって子供じゃありません。デート初日からのこーゆう展開だって、なくはないことぐらいわかってます。7年問ずっと彼氏がいないからこそ、好きな男性と一夜をともにしたいという願望は人並み以上にあります。でも遊ばれたくはない。

私はホントに好きになってくれる人と、真面目な恋愛をしたい。楽しいことやしんどいことを一緒に感じあって、そして一生を共にしたいと思えるような仲になりたい。この考えって子供じゃないと思う。33才独身女の素直な望みです。

だから、まるでコンビニにでも誘うような淳くんの気軽さに、のぼせていた気持ちがサーッと冷めていきました。

「え、やだよ。ホテルなんて行かないよ」

「じゃ、俺の部屋に行こうか」

「同じことじゃん。そんな気分じゃないし」

「何だよ、いいじゃん」

「やだやだ。今日は帰る」

しつこく誘われれば誘われるほど、ある疑惑が大きくなっていきます。もしかして、今日のデートはそれが目的だったの?

「私ね、こういうのはちゃんと付き合ってからじゃないとヤなの」

彼の本心を知りたくて「付き合ってくれ」の一言が聞きたくて、私は彼の目をまっすぐ見ました。

「うーん、そうかあ。そりゃそうだよなあ」

なんとも暖昧な返事をして、彼は車を発進させました。道中、私の世間話に「うん」とか「ああ」とか答える以外、ほとんど口をきこうとはせずに。