出会い口説きALLOK

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初めての温泉旅行・彼女が30才まで処女と発覚

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年が明けてからようやく、オグから体調が戻ったとラインがあった。
旅行のドタキャンで信用を失墜させた彼女ではあるが、まだ連絡をくれるのだからムゲにしてやるのは酷だ。さて、こうなればリベンジ旅行を計画せねば。温泉で初めて結ばれる夢を叶えるためにも、ここはうやむやにはできない。
〈治ってよかったですね。旅行は残念だったけど〉
チクリと嫌味を込めてラインを送ると、向こうから提案がきた。
〈この前はすみませんでした。2月の頭なら週末空いてます。そのときに温泉どうですか?〉
よしよしよし! やっぱりオグも最初は温泉で結ばれたかったのか!が、「どうですか?」と誘っているのは向こうでも、計画を立てて金を払うのはオレの役目のようで、行き先や予約などはすべてお任せするとのことだ。本当なら前回のキャンセル代4万円も返してほしいところなのに…。
いざリベンジ温泉として選んだのは、長野県の某所だ。なかなか予約できない人気ホテルとして知られ、値段は1人1泊3万円。雪道が怖いので新幹線を使うとして、全部込み込みで9万円ほどの出費となる。もし今度もドタキャンされたら5万ほどが飛んでいく計算だ。が、さすがに二度もキャンセルはないだろう。こっちだってそこまでお人よしじゃない。もし風邪だインフルだと言い出したら、今度こそキャンセル料はオグに払わせてやる。めでたく当日になった。そう、ついにドタキャンもなく、この日がやってきたのだ!
昼の東京駅に、荷物を抱えてオグがやってきた。
「寒いですね。カイロ使いますか?」
貼るカイロをバッグから取り出して手渡してくるオグ。可愛いじゃないか。腰にでも貼らせてもらおう。一方のオレがカバンに潜ませているのは、マツキヨで買った0・02コンドームだ。6個入りなので一晩用には十分すぎだろう。
北陸新幹線の座席に並び、長野を目指す。我が人生を振り返っても、こんな旅行は初めてのことだ。世間の男たちはこんなに楽しいことをしていたのか。いや、オレのほうがワクワク感は大きいだろう。だってまだ肉体関係のない相手と温泉に向かってるんだから!車内で話題につまったところで、担当サトウ氏からの依頼を思い出した。世のモテない男が参考にするため、オグに聞いてほしいことがあると言われていたのだ。
それは、『なぜ赤澤を選んだのか?』だ。婚活パーティで10枚もカードをもらう彼女が、なぜ11才も年上で不細工な男を選んだのかを聞いてくれという。「あの、なんでオレと付き合ってくれることにしたんすか?」
さりげなく尋ねてみたら、オグはまず、パーティでガツガツしてないところが良かったという。
「ぐいぐいこないのでゲイなのかと思いました」
さらにパーティ後、喫茶店に行ったのも大きかったそうだ。一緒にいた人見知りのお姉さんも邪険にせずしゃべってくれたところが好印象だったのだと。
「そんな感じですね。赤澤さんはどうして私なんですか?」
「え、それは可愛いからですよ」
「やめてください。可愛くなんかないですよ」
いやいや、長澤まさみには遠く及ばないけど、なかなかのもんだと思うぞ。面食いのオレが選んだぐらいなのだから。
以降の旅程は一気にすっ飛ばす。というのも夜中に起きた大事件まではたいしたことは起きてないからだ。
夕方ホテルに到着し、男女別の温泉に入り、食事をして酒を飲み、また風呂に入ったりして、いよいよ問題の夜中だ。ベッドが二つ並ぶ洋室で、浴衣姿の2人は仲良く寝転がった。おもむろにおおいかぶさり、まずはキス。控えめに終わらせたところで、ブラジャーのホックを軽やかに外す。そして胸を揉み始め、至福の時を味わっているそのとき、突如オグが口を開いた。
「引かないでくださいね」
「え?」
「引きませんか?」
「どうしたん?」
 しばらく間が開いた。
「私、この歳なんだけど、まだしてないんです」
 してない…。処女?
「体験がないってこと?」
「はい」
 おかしいな。最初のころ、束縛系の彼氏がいたような話をしてたはずなんだが。
「昔の彼氏とは?」
「してないです、途中までしか」
途中って何だろう。セックスもしてないのに束縛する男なんているんだな。よくわからん。それにしても、どうして30才まで処女なんだ。まさか肉体関係=結婚みたいな考えなのか。だとしたら厄介だぞ。
 この赤澤慎吾、モテはしないが、かといって今すぐ結婚を決意できるほど焦っているわけではない。婚活パーティに行けばいずれまた誰かとカップルにはなれると思っている。そういう意味では、ここで無理して結ばれる必要はないわけだけど…。
いったん胸を揉むのを止め、並んでベッドに寝転がった。
「やっぱり引きました?」
「いや、引いてないけど、なんでか
なと思って」
「ですよね。なんででしょうね」
ポツリポツリと語った内容をまとめると、自然に〝その機会〞がくればいいかなと思って生きてきたが、なかなか自然なタイミングがなく、彼氏ができてもグイグイ来られるとその気になれず、そのままお別れ、ということを繰り返してきた、ということらしい。ちなみに例の人見知りのお姉さんもいまだ処女だそうだ。
なんとなく辻褄が合った気がする。オグがオレなんかを選んだのは、男っぽさがなかったからなのでは? 自分がその気になるまで待ってくれそうな匂いがあったからでは? 昼に言ってた「ゲイ」うんぬんもあながち的外れな理由ではないようだ。
しかしどうだろう。こうやって温泉に来てベッドインしているわけだから、今夜はその〝機会〞とやらと考えていいはずなのだが。もういっかい攻めなおすか。
と、思い悩んでいたら、先手を打たれた。
「もしできれば今度でもいいですか?」
「うん、いいよ」
あっさりOKしてしまった。ここで焦って手を出そうとしたら、歴代の彼氏のようにフラれてしまうかもしれないじゃないか。
翌日は酒蔵などを見学し、東京に戻った。カバンに入れたままの0・02の封が切られるのはいつだろう。