出会い口説きALLOK

デキル男のためのライフスタイルマガジンです。裏モノJAPAN監修の出会いや口説きに体当たりで挑戦したブログです。

チカンする根性は無いが痴女お姉さんとホモに痴漢されたことはある僕

友人と喫茶店でダくっていると、絶対につかまらないなら一度はやってみたいことは何か、という話題になった。自分に正直になり、冷静に考えてみる。泥棒、強盗、殺人、誘拐、強姦、乗っ取り、詐欺……。違う痴女にホモ。
そんなのくつにやりたくない。
答えはひとつだ。と、友人がぼくと同じ解答を口にした。
「チカンだよな、チカン」
「だよなあ」
「まあ、男ならだいたいは同じ答だと思うぜ。ただ、理性があるし、捕まるとこんなカッコ悪いこともないからしないだけ」
世の中にはチカンが大勢いるらしく、ちよいと色っぽいOLなんか、しょっちゅう被害に遭っているという。やるやつは何喰わぬ顔で日課のようにやっているのだ。
その割につかまる確率は低そうだが、それは証拠を押さえにくいという以外に、チカンされた側がパニックになり、されるがままになりやすいこととも関係があるだろう。ぼくはチカンしたことはないが、されたことは何度もあるので、なんとなくわかるのだ。
初めてチカンに遭遇したのは高校生のとき、映画館でだった。新宿の名画座でロマンポルノを見ていてふと気がつくと、ヒザの上に手が置かれているではないか。
驚いて横を見るとオッサンが座っている。そして、視線をスクリーンに向けたまま、じわりじわりと内腿に手を這わせてくるのだ。当時のぼくは長髪だったので、てっきり女と間違えられているのだと思った。
で、「オレ、男だよ」と言ってみた。するとオッサンはニヤリと笑い、言ったのだ。
「わかってる、ふふ」
ホモだ。頭ではすぐ理解できたが、はっきりホモとわかる人と接するのは初体験。声も出なければカラダも動かせない。しばらくの間、股間をなでまわされ、泣きそうになりながら「やめろ」と逃げ出すのが精一杯だった。
映画館ではその後何度もホモに狙われ、トイレまで追いかけられたこともある。そんなときも、逃げることしか頭になかった。電車ではたった一度だが、痴女に遭ったことがある。満員の地下鉄で股間を直撃されたのだ。しばらくは揺れの反動で手が触れる程度。それが何度か繰り返され、こっちが不自然さを感じて態勢を変えようとしたそのとき、ジワッと股間に右手が添えられた。まさかの痴女である。
ぼくは電流が走ったように動けなくなり、頭の中は真っ白・いま起きていることが何なのかもよくわからなかった。でも若き下半身は正直者。たちまちコチコチくんになったけどな。気絶しそうになりながら女を見
ると、20代後半くらいの、ごく普通のおねえさんが、上目使いに笑っている。この人が……信じられなかった。そして何より薄気味悪いのだ。なぜそんなに堂々としているのか。目的は何なのか。得体の知れない恐怖で、金縛り状態である。
おね-さんは、ぼくの狼狽ぶりを知り、やり得だと思ったのだろう。2駅間たっぷり、攻撃の手をゆるめない。やっと去ったとき、ぼくのヒザはガクガクだった.という具合に、チカンされて咽嵯に反撃に移れる人は少ないと思う。だから余計、減らないのだ。
「なるほどな。でもオレはできないよ。チカンものの映画やビデオってすたれないじゃん。みんな、あれでチカン願望をまぎらわせてるんだと思うよ」
「ああ、たぶんそうだな」

そんなヨタ話のことなど忘れていたある日、出張に行くため朝7時台の電車に乗った。ぎゅうぎゅうというほどではないが、かなり混んでいる。
仕事柄、ラッシュ時の電車に乗ることはほとんどなく、乗る場合は誤解を避けるため、吊革につかまるか腕を組むのが常なのだが、あいにく今日は荷物がある。
ぼくは周囲のジャマにならぬよう、足の間にバッグを持ってきて、バランスを取るために両手でそれを支えていた。ちょうど股間の少し下で両のコブシが外を向いて握られている格好である。と、そこに柔らかい感触。背中を向けている女の尻のあたりが、揺れるたびに触れてきた。
やぁ、今日はツイてるなとまず思った。たまに触れる程度なら問題はないよな。さらに混んで、彼女の尻が常時コブシに当たるようにもなってしまったけど、これも不可抗力。コート越しでもあるし、こっちはほら、単にバッグを支えているだけなわけで。セーフセーフ、全然OK。
そんなことを考えているとき、ブレーキの反動が来た。のけぞる彼女の尻が、よける間もなくコブシに食い込む。と、おぼろげなものにすぎなかった肉の感触がリアルに伝わってきた。
急にドキドキしてきた。いまのは仕方がない。しかし、また反動が来るのは確実。つまりこのままじっとしているのは、消極的なチカンということになる。
どうするんだ、この両手……。
考えるまでもない。そのままだ。そのままで幸運に身をまかせればいいことだ。いまの経験で、彼女は背後に両手を下げた男がいることには気づいたはず。気になるのなら、姿勢をズラすことも可能なんだから。
だが、つぎに揺れが来たとき、ぼくは反射的に両手を離し上にあげていた。しかも、バランスを崩し、後ろのおばさんに激突してしまった。
アホである。というより、男としてあまりにも弱腰である。こういうのを紳士的というのかもしれないが、じつは接触を楽しみにしているのだから話にならん。その証拠に、両コブシはさっきの感触をまだ憶えているし、そこから膨らんだ妄想で下半身もややウズウズしているのである。つまり、ぼくは心の底で偶然のチヵン行為を切望していたにもかかわらず、自らそれを放棄してしまったのだ。
チカンは犯罪である。最低の行為である。やってはいけないことはわかりきっている。そうなら、最初から期待なんかするんじゃないよ。期待しながら、いざとなって逃げるんじゃないよ。だいたい、ぼくにチカンができるのか。善し悪しはともかく、ヘタすりや人生台無しの開き直りができるのか。
こんなことでは、いつまでたつてもだめだ。ぼくは、自己嫌悪に陥りながら電車を降りた。