出会い口説きALLOK

デキル男のためのライフスタイルマガジンです。裏モノJAPAN監修の出会いや口説きに体当たりで挑戦したブログです。

オープンカーでナンパなら口説き落とせるか!?

いつものようにアパートの天井をぼーっと見つめながら、どうすれば女にモテるか考えていたら、巡りめぐってシンプルな答えに行き着いた。女ってベタに弱くないか?もっと細かく言うと、「ベタなものは苦手なフリしてるけど実は好き」ってのが女の本性のように思えるのだ。
キザなイケメン、バラの花束、サプライズっぽい求婚。そういうものに対して「ヤだぁ、ベタで恥ずかしぃ」とか口では言ってるくせに、胸の奥底ではキュンときてるのが女という生き物の本質なの
ではないか。なので今回はまっすぐ攻めてみよう。ベタなアイテムを使って真っ正面からオトしにかかるのだ。用いる武器はオープンカーだ。
女性の皆さんどうですか、オープンカー。ちょっぴり気恥ずかしいけど、風を切って走るドライブって胸がときめくでしょ?週末。オープンカーのマツダロードスターをレンタルし、さっそく町に繰り出した。いやー風が気持ちいい。テンション上がるなあ、右腕をドアに乗せたくなるし、鼻歌も出ちゃうし。そして何より、ビルのガラスに映ったオレの運転姿、かっこいいのなんの。
とはいえ女は臆病だ。タクシーみたいに呼び止めてはこないので、こちらから助手席に乗りこむ理由
を与えてやらねばなるまい。おしゃれ街、青山に車を停めて、車外へ下り、女の子が近くへやってくるのを待つ。来た来た、歩道を歩いてきた。よし作戦開始!
「あ、いけね」 
わざと歩道に荷物を落っことし、柵があって手が届かない演技をかます。
「すみません。ちょっとその荷物を拾ってもらえませんか?この車に積みたいんで」
お嬢さんは優しく荷物を手渡してくれた。
「ありがとうございます」
「いえいえ」
「助かりました。お礼しないと」
「いや、そんな」
「よかったら送りましょうか、オープンカーで」 
彼女は二枚目ハンサムカーには目もくれず、そそくさと立ち去っていった。近眼か?場所を変え、同じ作戦を繰り返してみたが、反応は鈍かった。やっぱオープンカーだと照れちゃうのかな。翌日の昼3時。やってきたのはオレの十八番のナンパ場、お見合いパーティだ。会場そばの駐車場にオープンカーを停め、カップルになった相手をすかさず助手席に誘導する作戦である。いきなり密室は怖がるであろう彼女らも、開放感あふれるクルマなら安心するはず。なにより素敵だし。
会場には30人ほど男女が集っていた。では準備準備。プロフィールカードの趣味欄に、「ドライブ」と記し、横に大きくオープンカーの絵を。これでよし。回転寿司タイムがスタートした。
「こんにちわ、仙頭です」
「よろしくお願いします」
彼女がこちらのプロフィールカードに目を走らせている。
「頑張って絵を描いてみたんですよ」
「あっ、ドライブが趣味なんですか」
「はい、秋は風が気持ちいいですよ。ぼくの車、オープンカーなもんで」
「そうなんですか。仙頭さんはどこに住んでるんですか?」
「三鷹です。もちろんオープンカーの駐車場も三鷹です」
「へー。職場は?」「市ヶ谷です。ときどきオープンカーで行ったりもしますよ」
「へー」
全員にがっつりアピールを食らわし終えたところで、狙いを定める。クルマに興味を持ってたのは13
番の大原さんだったかな。フリータイムでアタックしよう。
「どうも、オープンカーの仙頭です」
「はははっ、上手な絵を描いてましたもんね」
「いえいえ」
「仙頭さん、映画とか見ます?」
「映画は、この前オープンカーで見に行きましたよ」
「音楽とかは?」
「ドライブで聞くのがもっぱらですかね。オープンカーなんで音が外に漏れちゃうのがちょっと恥ず
かしいけど」
しつこいほど連呼しまくってやった。これで食いついてこないんだったら、あなたは一生ワゴンRにでも乗ってなさい。結果、カップルは成立した。よっしゃ!時間はまだ夕方4時。秋のドライブにはいい時間帯だ。なんとしても乗り込ませたい。
「大原さん、じゃ駅のほう行きましょうか」
「はい」
歩く先に待っているのは、我がオープンカーだ。この瞬間のため、バイト嬢が直前に屋根をオープン
にしておく手はずになっている。いざ駐車場前へ。そこには準備万端整ったクルマが待機中だった。よし、いいぞバイトちゃん。
「大原さん、あれがぼくの車だよ」
「えっ?車なんですか!」
「うん、じゃあ乗って」
「はーい」
おぉ。警戒心ゼロ!ラクショーで乗ってくれたじゃないか。車は走り出した。大原さんは、風になびく髪を手で押さえながらうっすらと笑っている。「オープンカーは初めて?」
「そうですよ」
「風が強いでしょ?」
「いや大丈夫です。けっこう気持ちいいですよ。屋根が空いてるのって面白いですね」
定番コースのレインボーブリッジを渡り、お台場にやってきた。車を下りて散歩し、海岸のベンチに並んで夕暮れの景色をながめる。
「天気よくて良かったですね」
「うん、こうして大原さんとも出会えたし」
「ははは」
「もう6時かあ。そろそろお腹すいてきましたね」
「そうですね」
「よし、ゴハンでも食べに行きますか?」
「うーん、でも…」でも?
「今日はもう疲れたから帰ります」
疲れたって、運転してたのオレなんですけど。またもアパートの天井を眺めながら考えた。失敗の原因は何だったのか。 まず時間がマズかった。夕方の早めに終わるパーティでは、ドライブ即夜景の流れになりにくい。やっぱここはさらなるベタ、夜景の力を借りねば。もうひとつ、お台場でオープンカーを降り、散歩デートしてしまったのもマズかった。オレの武器はオープンカーなのに、その武器を捨ててどうする。車内でキスくらいかませよ。クソ馬鹿か。というわけで、翌週末のパーティで再チャレンジすることにした。終了予定時間は夜8時だ。例のアピールをしながら女性陣としゃべり終え、最終的に27才の広野さんにロックオンした。彼女が手元のメモに「オープンカー」とペンを走らせるのを、オレは見逃していない。興味はあるってことだよね。果たして、またもやカップル成立となった。もはやこのオレ、パーティのプロフェッショナルだ。
夜8時。2人揃って会場を出て、駐車場の前へ。さあ見やがれ、オープンカーを。
「あ、すごい!本当にオープンカーなんですね!」
「じゃあ乗ってよ」
「はーい」 
いやー、すごいわ。またもこんなに簡単に乗り込んでくるなんて。つくづく女ってのはオープンカー好きなんだな。今日はもう、車から下ろさないからな。広野さんはミニスカートだし、1、2時間後にはすんなり頂戴できるかも。オレの目的地は、夜景の見える晴海埠頭だが、その前に軽いドライブで関係を暖めたほうがいいだろう。
「どこか行きたいとこある?」
「うーん、銀座かな」 
ほぅ、銀座か。晴海に近づくので都合がいいぜ。 夜の町を走り、銀座に到着。大通りはいつものようにきらびやかだ。彼女が指をさす。
「あっアバクロだ」
「ホントですね」
「ちょっと行ってみませんか?」
「…そうだね」
うーむ。ここで下ろすことはできない、絶対に。
「ダメだよ、あそこ、開いてるように見えるけどもう閉店してるよ」
「そうなの?」
「たしか8時までだから…」 
ウソをついて通過。危ない危ない。その先にはリンゴマークのビルがあった。
「アップル寄りませんか。まだ開いてますし」
正面がガラス張りなので、さっきのウソは使えない。どうしよう…。店を通り過ぎた。
「えっ、寄らないの?」「ごめんごめん。ボケーッとしてたよ。このへんに綺麗なビルがあるの思い出して。どこだったっけなあ。ヤマハのビルなんだけど。うん、とっても綺麗なんで見せたいんだけど」
買い物の類はあきらめてくれ。こちらにも事情があるのだ。ていうか半タメ口が出てきたことだし関係も暖まったと見ていいのでは。そろそろ晴海に行っちゃうか。おもむろにオレはハンドルを切った。晴海埠頭の先端に車を走らせると、目の前にライトアップされたレインボーブリッジが見えた。めっちゃキレイじゃん。周囲に人はいない。いちゃつくには恰好のポイントだ。
「よし、ここで停めようか」
「はい…」彼女の声が小さくなった。ドキドキしてるのかな。
しばし無言で夜景を見つめつづけた。風に乗って、波が埠頭にぶつかる音が聞こえてくる。
「きれいだね」
「きれいですね」
「穴場だね、ここ」
「…うん」
「恋の始まる場所って感じしない?」
「…」
肩を抱き寄せ、そのままキスをかます。チュッ!すいっとかわされ、唇がほっぺにくっついた。もういっちょチュッ。ダメだ。 しっかりキスしたいのに、彼女にその気はないっぽい。お子ちゃまなのか。あ、そうか、屋根が開いてるから、ディープキスが恥ずかしいんだ。だってレロレロしたら当然、オッパイまさぐられたりもするもんね。なるほど。
「ちょっと冷えてきたから屋根閉めるね」 
さりげなくつぶやき、いったん車を下りガサガサ屋根を動かしてから、また運転席へと戻る。さあ、これで安心だよ。レロチューしましょ。
「あの、もう帰りませんか?」
「え?」
「なんか疲れたんで…」
またかい!オープンカーの助手席ってそんなに疲れるもんなのかよ。変な間が空いたのがマズかった
か。今度は電動で開閉できるオープンカーを借りねば。そんなことを考えながら彼女の家へと向かう車の中は、屋根が閉まってるはずなのに妙に寒かった。