出会い口説きALLOK

デキル男のためのライフスタイルマガジンです。裏モノJAPAN監修の出会いや口説きに体当たりで挑戦したブログです。

終電の終着駅近くの居酒屋に女性がいたら・・・

通勤で使っている路線は、ある意味、かなり危険だ。本来降りるべき駅をうっかり寝過ごそうものなら、そのまま都心から東京の西の果てまで行ってしまい、それが終電だったりすると帰宅が不可能になるからだ。 
なんせタクシーで23区内へ戻るのに最低でも1万5千円はかかる距離なのだ。とても貧乏サラリーマンの手に負えない。 ところが今年の頭、俺はついにやらかしてしまった。職場の同僚と酒を飲んだ帰り、車掌に起こされてふと目を覚ましてみると……ちょ、ここ終点じゃん! 
しかもこれ、終電だし! 
が、落ち込んでいても仕方ない。駅の近くにこの町唯一のネットカフェがあるらしいので、始発までそこで仮眠しよう。 ところが、
「申し訳ございません。ただいま満席でして」
ネカフェに着いた途端、入店を断られた。店員によると、この店は毎晩、俺のような終電で寝過ごした乗客がドッと押しよせるためすぐに満席になるという。…じゃどうすんだよ。 途方に暮れる俺に店員が言う。
「あの、始発を待たれるのなら隣に朝までやってる居酒屋もございますけど」
え、そんなのあるの? なーんだ、だったらそこでいいや。そんな経緯で足を踏み入れた居酒屋には、異様な光景が広がっていた。わりと大きめのフロアにポツポツと客の姿はあるものの、各自1人きりでぐったり席に座っており、居酒屋につきものの騒々しさがカケラもない。どうやらこの店も、寝過ごし族しかいないようだ。
まもなく、店内のあちこちでイビキが響きはじめた。誰も注文を取らない状況では店員もやることがなく、奥に引っ込んだきり姿を見せない。…ふあ、俺もひと眠りするか。
夢うつつの中、すぐそばで何かがゴソゴソ動く気配を感じた。テーブルで熟睡中のおっさんの荷物を誰かが漁っているようにも見えたのだが、そこで俺の意識は完全に途切れた。 目が覚めたのはそれから数時間後、そろそろ始発が走りだそうかという頃合いだ。すでに駅に向かった客もかなりいるようで、店内は閑散としている。ふと向けた視線の先では、先ほどのおっさんが「あれ、何でないんだろう?」とつぶやいていた。
「どうしたんですか?」  声をかけるとおっさんは少し困った顔で答えた。
「タバコが2カートン、袋ごとなくなってるんだ。この店に来る前にどっかで落としたのかなぁ。酔っててよく覚えてないんだよね」
その瞬間、半眠りの中で見た光景を思いだした。やっぱりあのとき、誰かがおっさんの荷物をパクってたんだな。 しかし結局、おっさんにはその事実を打ち明けなかった。幸い、サイフなどの貴重品は盗られなかったようだし、警察沙汰にでもなれば俺まで事情聴取を受けるのは目に見えている。面倒はゴメンだ。
チンケな置き引きの目撃談を長々と申し訳ない。本題はここからだ。
実はつい先日、俺はまたも電車で居眠りをやらかし、前回とまったく同じ流れで例の居酒屋で始発を待つことになったのだが、そこである出来事が起きたのだ。テーブルに突っ伏して爆睡し、早朝、目を覚ましてみると、足もとに置いておいた有名デパートの紙袋がこつ然と消えていたのだ。 もっとも、紙袋の中身は、贈り物用に買った洋菓子だったので、大した被害ではない。 俺が強調したいのはそこではなく、二度も同じ店で置き引きに遭遇したということだ。決して偶然じゃないだろう。
深夜にこの店を訪れる客のほとんどは、心身ともに疲れ果てている人たちだ。いずれみな、テーブルの上で眠りこけてしまうのは決まり切ったことだし、だからこそ店員もフロアには滅多に顔を出さない。言い換えれば置き引きするならこれ以上絶好の状況はない。こんな有様では、客の誰かがつい出来心を起こしてしまうのも、ある意味で当然なのだ。こんな居酒屋に女性客が入ってきたらいったいどうなるのだろうか?