出会い口説きALLOK

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落ちそうで落ちないキャバクラ嬢と次々に寝てしまう特技の持ち主

遊びの原点といえば「飲む」ことであろう。酒のあるところ、女あり。アルコールで大脳新皮質が麻陣した男たちはしばし現実を忘れ、桃源郷にさまよう。遺伝のせいであろうか、僕はまったく酒が飲めない。

飲めないからドラッグに手をだしてしまった一思い返してみると、これまで出逢った覚醒剤中毒者たちは全員が下戸であった。川崎の六十を過ぎたある覚醒剤密売人も下戸で、ものごこるついたときから注射器のお世話になっていた。

ドラッグからまだぬけきれないでいた七年前ほど、僕はこの人物から何回か買ったことがある。たいてい飲み屋に連れられて商談となるのだが、テーブルにはウーロン茶が並ぶだけであった。
話が横路にそれたが、酒といえばいまは亡き酒といえばいまは亡き勝新伝説。グラス一気飲みに飽きると、今度は氷を入れるピッチにレミーをなみなみとつぎ、これを一気飲みする。

サラリーマンの初任給が三万円程度の時代に、ボーイにチップ一万円をはずみ、タクシーに乗るときも運転手にかならず一万円を渡し釣りはとらない。このころ勝新の一年間の銀座の飲み代は三億円にものぼった。

勝プロも破産するのは当然のことではあった。このことを中村玉緒に出演者が確認すると、「ええ、ほんまどすえ」と答が返ってきた。いい夫婦だ。僕のまわりを見渡すと、さすがに三億円のツケを抱える強者はいないが、武勇伝はいくつか転がっている。
日比やんの愛称で慕われているAV監督、日比野正明という人物がいる。知らずに撮ってしまった出演者に十六歳の少女がいたため、児童福祉法で御用になってしまったが、いまも陽気に仕事をつつけているいいやつである。

村西監督はダイヤモンド映像の社屋にスタッフと共に寝泊まりし、なぐる蹴るのスパルタ指導で部下たちを鍛え上げ、彼らはいつしかサンドバッグ軍団とも呼ばれるようになった。

鉄拳制裁に悲鳴をあげ相次ぎ脱走する軍団員のなかにあって、最後まで助監督をつとめあげたのが日比やんである。六年間、休みがもらえなかった日比野正明はダイヤモンド映像がつぶれる間際に、一人立ちをした。これからフリーとなって監督業をはじめなければならない。

が、それよりこまったことに直面した。時間はありあまるほどあるのだが、いったい何をして遊べばいいのか見当がつかないのである。日比やんは週に三回同伴出勤をし閉店時間まで居座るというキャバクラ熱にとりつかれたのであった。

お気に入りの子は色白で細身、ハスキーな声で「日比野さん」と甘えてくる十八歳のR子ちゃんである。それが営業上の行為だとも露知らず、日比やんはR子がほんとうに自分に惚れていると勘違いしてしまった。

ショータイムでR子がステージの端に立つと、日比やんは大声で彼女の名を呼ぶ。照れながら踊るR子に日比やんは「かわいいなあ」。たいして酒も強くないのに席に居座り飲みつづけるから、メートルも上がってくる。

ショーが盛り上がり日比やんが立ち上がり、R子のダンスをまねてクネクネと躍りだす。ラフな服装で入ると客といえども入店を断るくらいマナーにうるさい店だから、日比やんのタコ躍りは本来なら店員が駆けつけて制止させられるはずである。

ところが、多いときで週六日通い詰める日比やんなので、店側も黙認だ。黙認どころか、ショーが終わり日比やんが「やれやれ」と席につくと同時に店員が「おつかれさまでした」とおしぼりを運んでくる。日比やんがスタジオで撮影しているとR子から携帯電話に連絡が入る。
「ねえ。きょう、同伴してえ」
「してえって言ったって、昨日したばかりじゃないの」
「うん。寝坊したから遅刻しちゃいそうなの」
「しょうがないねえ。わかりましたあ」
スタジオでは新人女優とベテラン男優が本番のさいちゅうだ。
「それじゃそろそろフィニッシュいきましようか」
男優に射精をせかせ、予定より三時間も早く撮影をすませると、日比やんはワゴン車に駆け乗り、池袋へめざす。同伴出勤とはいえ、待ち合わせ場所は店の前だ。
「ありがとう。日比野さん」
自分がR子の都合のいい相手だとわかっていても、それが愛だと思ってしまう。結局、日比野正明のキャバクラ・マインドコントロールはR子が店をやめるまでとけなかった。半年間でAV監督は三百万円をこの店に、いや、R子に注ぎ込み、手だけ握れた。ひとにぎり三百万。

高額の握手会である。しかし日比やんは後悔していない。投資額を振り返ってばかりいは、遊びなどできないから。ちなみに、日比やんがいま熱中しているのは、キャバクラ嬢でもビデオの女の子たちでもなく、ごく普通の女の子たちとの合コンである。

落ちそうで落ちないキャバクラ嬢と次々に寝てしまう特技の持ち主、それが佐藤太治会長である。この名前にピンとこない読者でも、ビデオ安売王の名はどこかで見かけたことがあるだろう。成り上がりのワンマン経営者は共通の特徴がある。
☆すぐに握手したがる。
☆焼き肉を皆で食べるのが好きだ。
☆人におごりたがる。
☆怒るとすぐになぐる。
☆ユンケルが好きだ。
☆女好きだ“
佐藤会長もごたぶんに漏れずこの条件をすべて満たしていた。本妻と七人の子どもをハワイに住まわせ、会長は夜な夜なクラブやキャバクラをはしごする。ガソリンスタンド経営をしていたころは、毎夜、羽田・大阪間をJALで飛び、ミナミの高級クラブで遊ぶ。最終便の時間がせまってくると飛行機に飛び乗り神奈川の豪邸に帰還する。
「俺がなんでミナミのクラブまで飛行機に乗って毎晩通ったかというとさ、あのサービスが最高なんだよ。店員も最敬礼して俺をむかえるし、品のいいホステスが気持ちよく酒を飲ましてくれる。プロの接待術が心地いいんだよ。あれで俺、夜遊び覚えちゃったんだな」

安売王の代表として世にうってでたころ、佐藤会長は僕と六本木のキャバクラにむかうタクシーの中で熱く語っていた。バブル真っ盛りのころ、AVの世界には、銀座の高級クラブでレミーマルタンを注文すると、酔った勢いで持参した水鉄砲にレミーを注入して、やおらホステスたちにレミーの水鉄砲を発射する男がいた。会長はやらなかったが女の子の手をそっと握り、
「どう俺とおとなのつきあいをしようぜ」と耳元でささやいた。177センチはうつむいている。さらに安売王は追い打ちをかけるように賛美のシャワーを浴びせかける。社内で部下をなぐりとばす男がここでは人が変わってしまったかのようだ。
「キャバクラがいいね、いまは。しろうとっぽいじゃない。クラブの子とくらべるとさ。それがまたいいんだね。これからはキャバクラだよ。入店二週間以内の子っていうのが狙い目なの。ベテランになるとかわす術を心得ちゃってるから。さすがの俺も無理なんだ。あの子、店やめたがってさ、俺の愛人になりたいようなこと言うんだけど、こっちはからだがもたないよ!」