出会い口説きALLOK

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高時給のフロアーコンパニオン募集は店外デートありの連れ出し料理屋だったようだ

フロアーコンパニオン時給3千円
一見すると何の変哲もない募集広告のように見える。東京でオミズをやるなら、時給3,4千円は稼げて当たり前。しかし、私があれ?っと思ったのは、その店の募集広告の業種欄がパブとかクラブではなく「レストラン」となっていたことだ。まさかファミレスのウエイトレスじゃあるまいし、料理の注文を取って運ぶだけなんてことは考えにくい。

おまけに募集広告には「お客様は厳選された方ばかりですから安心して働けます。素敵な出会いがあるかも」などという、意味深な誘い文句まで書いてある。これって、もしかして…。
実は今年の初め、知り合いのライターから「今度、ヌキありのカニ料理屋ができるらし
いぞ」と聞いていたのだ。接待に使われていたノーパンしゃぶしゃぶ店が摘発され、次なる接待場所が必要となったに違いない。

私はガ然好奇心をかきたてられた。ライターとしてのセンサーが働いたというか、なんかウサン臭い匂いを感じたのである。とにかく店に問い合わせてみよう。「広告見たんですけど、どんな仕事なんですか」
「ええとね、コンパニオンのようなものですねえ」
電話に出たのは卵代とおぼしきオバちゃんだ。水商売にありがちなザワザワした雰囲気はなく、電話の向こうはいたって静か。詳しく仕事内容を確かめたかったのにオバちゃんは非常にそっけなく、面接担当者が1時間後に戻ってくるのでかけ直してくれと切ってしまった。しかも約束の時間に再度電話を入れても担当者は戻っておらず、「土・日は定休なので、来週の月曜日にもう一度連絡をくれ」と言われる始末。
求人誌を見て電話したのに、なんて仕打ちでしよ。なんだかまるでこっちを警戒しているかのようで、秘密めいた雰囲気がピンピンしてる。
週をまたいで月曜日、ようやく面接のアポを取り付けた。約束は夜7時である。店に向かう道すがら、キャバクラの客引きや、いかにもこれから出勤といったスーツ姿のおねえさんたちと何人もすれ違い、やっとこ目指す東京某所の某雑居ビルに辿りついたのは6時だった。

店が入っているビルは、各階にクラブやスナックが看板を並べるバーピルで、店の看板が出ているのを確認しエレベータの6階ボタンを押す。シーンとした廊下を歩き、会員制と書かれた重いドアを押して店内に入ると、意外なほど照明が明るい。
店内は4つほどのボックス席とカウンターがあり、こじんまりとしたスナックといった造りである。唯一スナックと違うのは、各ボックス席の間がパーティションで仕切られているところで、お客さんらしき背広を着たサラリーマンの後ろ姿が見えた。
「すいません。面接にうかがった坂本ですけど」
カウンターの奥へ声をかけると、エプロンをかけた女子大生風の女の子が出てきて「どうぞこちらへ」とボックス席に案内された。
「うちはね、海鮮料理のお店なんですよ」
パーティションの向こうに座っているサラリーマン2人組を振り返ると、なるほどテーブルの上には七輪が置かれ、横に付いた女の子たちが海老や帆立を焼いている。ふーん、私もあの子たちのように客の横に座ってビールをついだりカニをほじくってあげたりすればいいわけか。

察するに、この店はどうやら海鮮キャバクラとでも呼ぶべき種類の店だったらしい。ま、それならそれで時給3千円で働いてみるのも悪くないか。横で笑ってればカニだって好きなだけ食べられそうだしな。そんなことを考え一人ほくそ笑む私を前に、なにやら言いたげな顔だ。が、彼は奥歯に物の詰まったような話し方で、店のシステムを説明する。
それによると、海鮮料理のコース料金は1人5千円で、女の子がつくとプラス3千円。加え、客や女の子の飲み物代は別料金とか。ふむふむ、普通のキャバクラにありがちな料金設定じゃないですか。

いいっすよ、私。明日からでも働けますよ。「じゃあね、美奈ちゃん。たまにお客さんから飲みに行こうとかカラオケ行こうなんて誘われることもあるんだけど、そういうのは抵抗ある?軽くお付き合いして、万単位の小遣いをもらえればラッキーだよね」
ニコニコ笑いながら問いかける。もしかして指名とか同伴とかのノルマがあるのかもしれないな。

「まあ、食事やカラオケぐらいならお付き合いしますけど…」
そうは答えたものの、なんかフに落ちない。同伴やアフターならハッキリそう言うだろうし、いままでの経験からすると水商売の経営者は客が店の外で金を使うことを極端に嫌うはず。やっぱり普通じゃないのかな。ええ-いジレつたい。いったいアンタは何を言おうとしてるんだ。忠明は忠明で察しの悪い私にイラついたようだ。
「だから、皆がみなコレするわけじゃないから客には付き合ってほしいんだよね」と、発情期の犬がするように腰をカクカクさせる。考えてみるにこの男は、客が誘ったら付いて行ってカラオケなりセックスなりをしてくれと言ってるようだ。
ほほ~これはこれはレストランの名を借りた連れ出し料理屋でしたか。フィリピンバーや台湾バーで売春をやってる店があるとはよく聞きますけど、海鮮料理屋で売春をやるなんて…。
「客とアナタが店の外でなにしようと店側としては関知しません。だって店から一歩出ればそれは自由恋愛ですからね」
店は客に、女の子と店外デートをしたいなら最低2万円プラス帰りのタクシー代を女の子に渡してあげてほしいと説明はするが、そのお金は丸ごと女の子の取り分になるのだから店が売春を強制してるわけじゃないというのが忠明の言い分だ。ってことは、ここは高級デートクラブってことなんでしょうか。
写真やスリガラス越しにあわただしく顔見せをするのではなく、お酒や料理を食しながらゆっくり会話を楽しみ、気に入ったら店外に連れ出せるという大人のデートクラブというわけですか。ただ、忠明がやたら自由恋愛を繰り返すのが気にかかる。やっぱり大人のつきあい=セックスなんだろうな。
好奇心は旺盛でも脂ギッシュなエロオヤジとのエッチだけはパスしたい私。とりあえず「自由恋愛ってことは、私にも相手を選ぶ余地があるんですか」と尋ねてみる。
店外デートに行かなくとも時給3千円なら喜んで働きたいもの。

「もちろんですよ。まあ、うちは会員制になっていて、名刺を置いてってくれる身元確かな人か、会員が紹介してくれた人しか受け付けない完全予約制のお店だから変なヤツは来ないと思うけど」
忠明が差し出す3冊の大学ノートをめくると、お客の会員番号や名前、勤務先がぴっちり記入されていた。1から始まった会員番号のラストは600を超え、勤務先には大手建設会社から薬品会社、銀行、果ては某官僚組織まで、誰でも名前を知ってる会社名がバンバン並んでいる。やっぱりここは、いわゆるひとつの高級接待店てやつなのね。し
かもノーパンしやぶよりパワーアップしたメチャヤバ店じゃないですか。面白くなってきたぞ。
「じゃ、今週末から働かせてください」と宣言し、店を出た。金曜日の夕方6時半に出勤すると、私の顔を見るなり「こちらへこい」と忠明が手招きする。奥のボックス席に向かい合って座るものの、忠明はこの前と同じような話を繰り返すばかりで、なんとも要領をえない。
「男ってねえ、不思議なもんでいざホテルに入ると途端にアッチが立たなくなったりするんだよね」
はいはい。要するにホテルに誘ってもエッチなしの客もいるから安心してホテルに行ってくれってことでしよ。私の他に出勤している3人の女の子も私と同じ20代前半ぐらい。仲が良いらしく、キャッキャッとした笑い声がパーティションの向こうから聞こえてくる。

金曜7時というかきいれ時なのに、客はゼロ。あ〜あ、私も忠明のたわごとから開放されて女の子たちに店のシステムをしっかり確認しときたいな。そんなことをボンャリ考えてると、神通力が効いたのか、忠明はこの店のママだという40代の女性に呼ばれ連れ立って外に出かけていった。

今日から働くことになった坂本ですと、自己紹介しながら女の子のボックスへ行く。
「募集広告には時給3千円からって書いてあったけど、日払いでもらえるんですか」
「っていうか、3千円は日給だよ。でもね、お客さんと外に行ったとするでしよ。そしたらその3千円は支給されないの」
私もよくわかんないんだけどね、と女の子たちもどこか歯切れが悪い。オープンしたてらしいからハッキリ決まってないのかな。
「ってことは逆に言うと、客に付き合わないと1日3千円しかもらえないってこと?」
「っん、まあね。でも今日みたく予約が入ってないときはご飯を食べさせてもらって、帰っていいんだけどね」
なんてこった。イケてないオヤジとのデートはパスして時給を稼ごうと思っていた私の計算はもろくも崩れ去ってしまった。デートに行く行かないの選択はできるが、行かなければファーストフード並のアルバイト代しか稼げないというわけだ。

これじゃ、半ば強制的に店外デートを強いているようなものではないか。忠明の話では、男性会員は年間1万2千円の会費を払っているというのだから、これって立派な管理売春ってヤツ?
午後9時半。チャーハンにピリ辛チキン、ふきのとうといった賄いをご馳走になった私は、忠明からとっぱらいで貰った3千円を握り締め帰宅の途についた。